脳の神経細胞に髄鞘が形成されるメカニズムの一端を解明− 特定の神経細胞に優先的に働きかけるグリア細胞を発見 −

ISM2016-08
2016年10月吉日

脳内には、情報の伝達に関わる神経細胞の他に、さまざまな働きを持つ「グリア細胞」という細胞が存在します。中でも「オリゴデンドロサイト」というグリア細胞の一種が、神経細胞の突起の周りに、髄鞘という構造物を形成することがわかっていました。髄鞘は、神経線維の周りに取り巻くことで、神経の伝導速度を速くすることができます。しかし、これまでオリゴデンドロサイトがどのような種類の神経細胞に対して髄鞘を形成するのか、その詳細は明らかになっていませんでした。

 今回、自然科学研究機構 生理学研究所の池中一裕教授、南部篤教授、吉村由美子教授、小林憲太准教授、新分野創成センターの木森義隆助教、統計数理研究所の小山慎介准教授らの共同研究グループは、単一のオリゴデンドロサイトを可視化することに成功。オリゴデンドロサイトが特定の神経細胞に対して選択的に髄鞘を形成していることを明らかにしました。本研究結果は、米国科学雑誌のGLIAに掲載されます(日本時間2016年10月19日午後10時 オンライン掲載)。

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