データ同化スパコンがビッグデータ処理性能ベンチマーク Graph 500で共有メモリ型として最高値を更新、統計科学スパコンがTop 500で301位。

ISM2014-06

2014年11月吉日

大学共同利用機関法人 情報・システム研究機構 統計数理研究所(所在地:東京都立川市、所長:樋口知之)は、九州大学マス・フォア・インダストリ研究所(所在地:福岡県福岡市、所長:福本康秀)、日本SGI株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:望月学)と協力して、本研究所で本年4月から稼働中の世界最大規模の共有メモリ領域を持つ「SGI UV 2000」で構成されるデータ同化スーパーコンピュータシステム(愛称「A」*1)において、大規模データ処理性能を計測するベンチマークテスト Graph 500 を実施し、174.70 GTEPS (1秒間に約 1,747億枝のグラフ探索性能)という高スコアを記録しました。これは前回6月のスコアを33%上回っており、アルゴリズムの改良と計測時の並列数の増加による結果です。
今回、総合順位で40位となり、前回同様、シングルノードの共有メモリ型並列コンピューティングシステムとして同種のシステムでは世界第一位の性能であることが示されました(*2)。
あわせて、本年7月から稼働を開始した統計科学スーパーコンピュータシステム(愛称「I」)においても稼働開始後、初めてTop 500 ベンチマークの測定を行いました。その結果、実行性能は201.2TFLOPS(1秒間の浮動小数演算の実行回数)で、同ランキングで301位となりました(*3)。

(*1) http://www.ism.ac.jp/ura/press/ISM2014-01.html
(*2)  2014年11月16日から21日まで米国・ニューオーリンズにおいて開催された国際会議SC14 (International Supercomputing Conference)で発表された最新のGraph 500リスト(2014年11月版 )にて公表された結果。
(*3) 最新のTop 500リスト(2014年11月版 )にて公表された結果。

データ同化スーパーコンピュータシステム(愛称「A」)について
A」はシングルシステムとして世界最大の64TBの共有メモリを搭載したSGI社製大規模共有メモリ型サーバ、SGI UV2000を中核とするシステムです。このUV 2000を2台で構築された本システムは、システム合計5,120プロセッサ、総メモリ容量128TBという共有メモリ型としてはこれまでにない規模の計算機です。
「A」は本年7月から国内の大学・研究機関のスパコンを共同利用できる革新的ハイパフォーマンス・コンピューティング・インフラ(HPCI, https://www.hpci-office.jp)に計算資源の一部が提供され、全国の研究者に利用されています。

統計科学スーパーコンピュータシステム(愛称「I」)について
I」は分散メモリ型のスパコンです。SGI社製ICE Xを中心に物理乱数発生装置や大規模共有ストレージなどから構成されます。400の計算ノード(CPU:Intel Xeon E5-2697v2 x 2、主記憶:128GB)からなり、ストレージ容量は2.5PBです。システムは平成27年度(2015 年度)中に増強される予定です。
I」は大学共同利用機関が保有する計算資源として、統計科学に関する研究を行う目的で、共同利用登録に応募できる方なら誰でも利用できます。

 

登録商標

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