データ同化スーパーコンピュータシステムがビッグデータ処理性能ベンチマーク「Graph 500」において、共有メモリ型並列コンピュータとして世界第一位の性能を達成。

ISM2014-02

2014年7月吉日

大学共同利用機関法人 情報・システム研究機構 統計数理研究所(所在地:東京都立川市、所長:樋口知之)は、九州大学マス・フォア・インダストリ研究所(所在地:福岡県福岡市、所長:若山正人、以下IMI)、日本SGI株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:望月学)と協力して、本研究所で本年4月から稼働中の世界最大規模の共有メモリ領域を持つ「SGI UV 2000」で構成されるデータ同化スーパーコンピュータシステム(愛称「A」,*1)において、大規模データ処理性能を計測するベンチマークテスト「Graph 500 」ベンチマークテストを実施し、131.427 GTEPS (1秒間に約 1,314億枝のグラフ探索性能)という高スコアを記録しました。これはシングルノードのメモリ共有メモリ型並列コンピューティングシステムとして初の100GTEPS越えで、同種のシステムでは世界第一位の性能であることが示されました(*2)。

さらにグラフ探索時の省電力性能を計る「Green Graph 500 」 において 12.41881MTEPS / W (1ワットの電力で 1,241万枝のグラフ探索性能)という高性能を達成しました。統計数理研究所では、本年7月から「A」による国内の大学・研究機関のスパコンを共同利用できる革新的ハイパフォーマンス・コンピューティング・インフラ(HPCI )への計算資源の提供を開始しています。今回、「A」が示したビッグデータ解析における高い処理能力性能により、大規模データ時代の予測と意思決定のためのモデリング研究が一層推進されることが期待されます。

(*1)  http://www.ism.ac.jp/ura/press/ISM2014-01.html
(*2)  2014年6月22日から26日までドイツ・ライプチヒにて開催された国際会議ISC ’14 (International Supercomputing Conference)で発表された最新のGraph 500リスト(2014年6月版 http://www.graph500.org/results_jun_2014)にて公表された結果。 

データ同化スーパーコンピュータシステム(愛称「A」)について

A」はシングルシステムとして世界最大の64TBの共有メモリを搭載したSGI社製大規模共有メモリ型サーバを中核とするシステムです。本システムは、この「SGI UV 2000」2台構成で構築し、システム合計5,120プロセッサ、総メモリ容量128TBという共有メモリ型としてはこれまでにない規模の計算機になります。
データ同化は、気象学、海洋学の分野で生まれたシミュレーション手法で近年急速に研究領域が広がっています。「A」においても、広大なメモリ領域を活用した局地天気予報モデルや大規模な個人化データを用いた需要分析のような次世代のシミュレーション手法の開発での利用が期待されています。
 

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