統計数理研究所、新スパコンの愛称を決定。
ISM2014-01
2014年4月4日
大学共同利用機関法人 情報・システム研究機構 統計数理研究所(所長:樋口知之、所在地:東京都立川市)では平成26年4月以降、タイプの異なる3つのスーパーコンピュータシステム(以下スパコン)を順次導入します。本研究所では、これまでも常に最新のコンピュータシステムを導入し、膨大な計算を必要とする統計科学の研究を推進してきました。
今回新たに導入するスパコンにより、統計数理研究所がデータ中心科学研究の拠点として大きく発展し、みなさんに親しんでもらえるようにスパコンの愛称を広く募集したところ、多数のご応募をいただきました。
所長、及び、スーパーコンピュータシステム仕様策定委員会(以下委員会)による厳正なる審査の結果、下記のように愛称を決定いたしました。
データ同化スーパーコンピュータシステム
愛称: 「A」
理由: Assimilation(同化)、Advanced(高等の, 上級の)から
統計科学スーパーコンピュータシステム
愛称: 「I」
理由: Intelligence(知能)、Investigate(研究する)から
共用クラウド計算システム
愛称: 「C」
理由: Cloud(クラウド、雲海)、Community(共同社会)から
各システムの愛称が、アルファベット1文字と覚えやすく、外国人の方にも呼びやすい愛称となりました。今後、本研究所ではこの愛称をもとに様々な広報活動を実施していきます。統計数理研究所は、平成26年度導入されるスパコン群を研究基盤の新たな柱の一つとし、近年急速に増大する共同利用研究者の計算資源ニーズに対応していくとともに、国内唯一の統計数理の専門教育・研究機関として先進的な手法の開発とデータに基づく意思決定ができる人材育成を推進していきます。
公募結果概要
(1)一般公募
統計数理研究所スパコン愛称募集サイトにて平成25年12月25日(水)〜平成26年1月20日(月)の期間で愛称を一般公募しました。
公募対象は、
- 共用クラウド計算システム(Communal Cloud Computing System)
- データ同化スーパーコンピュータシステム(Supercomputer System for Data Assimilation)
- 統計科学スーパーコンピュータシステム(Super Computer System for Statistical Science)
の3システムで、応募総数は119件でした。
(2)審査
公募結果を集計し、平成26年1月21日(月)〜平成26年1月31日(金)の期間でスパコン仕様策定委員、広報委員を対象に人気投票を実施しました。投票方法は、システムごとによいと思った候補を上から順に3点、2点、1点と採点する方法をとりました。得点の高かった上位7件を最終候補として委員会が審議し、所長が1件を採用しました。
(3)選定結果
採用者:吉原 憲一さん(東京都)
愛称:
データ同化スーパーコンピュータシステム:「A」
統計科学スーパーコンピュータシステム:「I」
共用クラウド計算システム:「C」
(4)選定理由
- それぞれアルファベット1文字で日本人、外国人ともに覚えやすく、呼びやすい。
- 各システムの特徴を1文字で端的に表現している。
- ロゴマークのデザイン化が容易。
- 3つそろうとAIC(故赤池弘次記念ウェブサイト赤池記念館 )となり、今後3つのスパコンが互いの特徴を活かしつつ、三位一体となって活躍するイメージにつながり、統計数理研究所ならではの愛称としてふさわしい。
各スパコンについて
データ同化スーパーコンピュータシステム:「A」
「A」は、シングルシステムとして世界最大の64TBの共有メモリを搭載したSGI社製大規模共有メモリ型サーバを中核するシステムです。本システムでは、この「SGI UV 2000」を2台構成で構築し、システム合計5,120プロセッサーコア、総メモリ容量128TBという共有メモリ型としてはこれまでにない規模のスパコンになります。データ同化は、気象学、海洋学の分野で生まれたシミュレーション手法で近年急速に研究領域が広がっています。「A」においても広大なメモリ領域を活用した局地天気予報モデルや大規模な個人化データを用いた需要分析のような次世代のシミュレーション手法の開発での利用が期待されています。また、「A」は大学共同利用機関としては初の試みとして、全国の主要な大学・研究機関が保有するスーパーコンピュータを高速ネットワークで結んだ共同計算環境「革新的ハイパフォーマンス・コンピューティング・インフラ(HPCI) 」に計算資源を提供します。
統計科学スーパーコンピュータシステム:「I」
「I」は、分散記憶型のスパコンです。平成26年7月に稼働予定で、ノードあたりの演算速度が490GFlops以上、主記憶容量が128GB以上でシステム全体での演算速度は196TFlops以上(1年以内に336TFlops以上に増速予定)、主記憶容量は50TB以上(1年以内に100TB以上に増量予定)という仕様になっています。また、システムには統計モデルのシミュレーションには不可欠な物理乱数発生装置が組み込まれます。統計数理研究所では、これまでも共同研究・共同利用のための計算資源として最新のスパコンを活用してきました。「I」もこれまで以上に統計数理の基礎研究での貢献が期待されています。
共用クラウド計算システム:「C」
「C」は、Dell社製サーバ69ノード(合計138CPU、1380コア、16.4TBメモリ)、大規模共有ディスク装置(合計364TB)を中心として構成されます。クラウドミドルウェアを導入し、統計解析のための仮想環境を利用者に提供します。この仮想環境にはデータマイニングや機械学習による分析がすぐに実行できるように並列パッケージが組み込まれたRやHadoop、Mahoutがあらかじめ構築されています。また、広大な記憶領域を活用した分散データベースによる大規模テキストデータ処理等の利用も可能です。「C」は、デスクトップ環境でのプログラム資産をシームレスに移行できることから、これまで以上に共同利用研究や教育分野での利用が期待されています。
登録商標
本研究所が所有するスパコンを構成する各製品、会社名は各社の商標または登録商標です。
お問い合わせ先
大学共同利用機関法人 情報・システム研究機構 統計数理研究所
スーパーコンピュータ愛称公募係(URAステーション内)
ask-ura@ism.ac.jp
〒190-8562 東京都立川市緑町10-3 TEL : 050-5533-8500(代)