データサイエンスの現在と未来を解剖する!~企業向け産学連携シンポジウム~

【統計数理研究所オープンハウス連携イベント(オンライン開催)】
日程
2020年10月26日(月)14:00~17:00
参加費無料・要申込
参加申込
事前登録制(先着順)
*視聴時に撮影・録画や録音はお控え下さるようにお願いします。
趣旨
ビッグデータやAIの進展等により、データサイエンスには今何が起こっていて今後どのような課題が待っているか、どのように備えるべきか、現在から未来に向けて、未来から現在に向けて循環して考えます。講師は大学、企業、研究所のデータサイエンスの専門家が務めます。本シンポジウムの対象は、企業の研究者、専門職、管理職ですが、 大学や一般の方の参加も歓迎します。本企画により参加者がデータサイエンスを知り、活用するきっかけとなることを願っています。

プログラム

14:00~14:05

開会挨拶 椿 広計 (統計数理研究所長)

img_higuchisensei 14:05~14:30

▼基調講演「汽水型人材育成: 製造業におけるAI/DS人材育成の課題と加速」


この1、2年、AI/DS人材育成においてこれまで立ち後れていた製造業においても、全社的に”本気”で取り組もうとする気運が非常に高まってきている。しかしながら、AI/DS人材はジョブ職的であり、また市場価値も高騰しているため、既存の人事採用の枠では適切な人材を確保することが難しい。そこで近年、大学内にラボを設け、企業とアカデミアが協働して企業の課題に取り組む中で、AI/DS人材を双方で育成する取り組みが活発化してきている。私はこの形態を「汽水型人材育成」と呼んでいる。本講演では、汽水型人材育成のメリットを双方の視点から考えてみたい。

▼樋口 知之(中央大学AI・データサイエンスセンター所長 理工学部経営システム工学科教授


1989年、東京大学大学院理学系研究科博士課程修了後、理学博士号取得。同年に文部省統計数理研究所助手に採用後、助教授、同教授に昇任。2011年4月~19年3月の8年間、同研究所の第11代所長を務める。 2019年4月から中央大学理工学部教授。2020年4月からは中央大学AI ・データサイエンスセンター所長も務める。専門はベイズモデリングとデータ同化。 現在、産業技術総合研究所人工知能研究センター研究顧問、NEDOロボット・AI部プロジェクトリーダー、産業界においては、ブリヂストンデジタルソリューション本部特別技術顧問およびブレインパッド顧問を務める。
img_mizunosama 14:30~14:55

▼講演1 「企業からデータサイエンスへの期待と要望」


電機メーカーの当社では、情報通信技術の進化と共に、製品やサービスを実現するシステム技術を進化させ、顧客への提供価値を向上し続けてきた。近年では、データサイエンスが、製品やサービスの新機能の実現に加え、研究開発期間の短縮や生産効率の向上等の社内プロセスの革新にも不可欠な技術となっている。一方、データサイエンスによる製品・サービス開発では、従来のシステム開発には無い課題への対応も必要である。本講演では、当社での取組として、AI技術者育成、商品・サービス開発における課題、AI技術による新材料の研究開発等について紹介し、さらに、データサイエンス時代のオープンイノベーションへの期待も述べる。

▼水野 洋(パナソニック株式会社 テクノロジー本部 マテリアル応用技術センターデジタル融合総括)


1986年、大阪大学大学院 電子工学専攻を修了後、松下電器産業、現在のパナソニックに入社。半導体設計用EDAツールの研究開発、英国ARM社プロセッサ技術導入と事業化などを担当。2000年代には、デジタル家電プラットフォームUniPhier(ユニフィエ)の携帯電話向けシステムLSIの開発と事業責任者を務める。2011年からは本社R&D部門で戦略企画や研究開発マネージメントを行なっている。近年では、データ科学により材料デバイスの研究開発を加速するマテリアルズインフォマティクスの社内実用化を推進。2016-2017年に政府のAI技術関連の産業化ロードマップ・タスクフォース構成員、2018年からはNEDOのAI・ロボット技術開発関連プロジェクトの採択審査委員も務めている。
img_tsubakisyotyou 14:55~15:20

▼講演2「統計科学の産学連携に果たすべき役割と統計数理研究所」


統計科学の先達は、20世紀初頭データに基づく計量科学創生を開始した、第2次世界大戦前後には実社会の統計的問題の体系的解決に着手した、1960年代にはデータの科学の創成に尽力した。20世紀末、データに基づく経済価値生成の限界費用の低落が始まると各国は、データに基づく高度情報サービス産業創成を目指し研究・人材育成について産官学一体となった取り組みを開始した。統計数理に根差したデータサイエンスも50年を経て、2010年代にはビッグデータ処理などとの統合を果たして、より大きな基幹学術に成長した。統計科学のデータサイエンスにおける基幹的役割、データサイエンスの人工知能・ロボティックスなどにおける基幹的役割、それら応用データサイエンスの産業競争力確保における役割を研究・知識基盤提供・人材育成側面から眺めれば、統計数理研究所を中核とするわが国の統計科学コミュニティの役割、そして産官学連携の在り方を明らかにできるのではなかろうか。本講演では、講演者の限られた経験も踏まえ、その種のことを議論してみたい。

▼椿 広計(統計数理研究所長)


自動車産業・精密機器産業・情報サービス業などへの品質マネジメント指導、新医薬品許認可、わが国初の新医薬品大規模市販後調査のMega Studyデータセンター長などの経験を経て、統計的方法の産業標準化活動に尽力、2009年国際標準化機構第69技術委員会「統計的方法の適用」第8小委員会「新製品・新技術開発のための統計的方法と関連管理技法」を設立、初代議長を9年間務める。経済産業大臣表彰(標準化功労)を授賞。現在、(一社)日本品質管理学会・顧問・元会長、(一社)品質工学会会長、(NPO法人)横断型基幹科学技術研究団体連合副会長、応用統計学会理事・元会長などで産学連携に関する活動を所掌。この他、現在総務省統計委員会委員長代理、(独)統計センター顧問・前理事長など。
15:20~15:30

休憩

15:30~16:55

パネル討論「データサイエンスの現在と未来を解剖する!」
水野 洋 (パナソニック株式会社 テクノロジー本部 マテリアル応用技術センターデジタル融合総括)
椿 広計 (統計数理研究所長)
モデレーター: 樋口 知之 (中央大学AI・データサイエンスセンター所長 理工学部経営システム工学科教授)

16:55~17:00

閉会挨拶

主催
情報・システム研究機構 統計数理研究所
後援
日本経済新聞社、パナソニック株式会社、中央大学AI・データサイエンスセンター、放送大学、横断型基幹科学技術研究団体連合、一般財団法人 データサイエンティスト協会、一般財団法人 日本統計学会、応用統計学会、日本計算機統計学会、日本オペレーションズ・リサーチ学会、一般社団法人 日本応用数理学会、一般社団法人 人工知能学会、一般社団法人 電子情報通信学会、一般財団法人 日本シミュレーション学会
お問合せ先
大学共同利用機関法人 情報・システム研究機構
統計数理研究所 運営企画本部 企画室 URAステーション 北村 浩三
E-mail : kitamukism.ac.jp
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