スタディグループとは?
産業界や諸科学で生じる個別具体的な課題について、コーディネータが関連する数学・数理科学の研究者を集め、当該分野のエキスパートと共に一定期間(通常一週間)集中的に議論する「課題解決型研究集会」です。スタディグループの雛形は、1968年に英国のオックスフォード大学で生まれました。その後現在に至るまで、ヨーロッパだけでも500以上の課題が提示され、具体的解決に結びついたものも数多くあります。
産業界の研究者にとっては具体的な課題の解決に結びつく機会となります。数学・数理科学研究者にとっては産業や異分野の問題に接し、新たな数学・数理科学の研究テーマ創出のきっかけが出来る可能性があります。
数学協働プログラムでは2013年度よりスタディグループを実施しています。2014年度からは一般公募も実施しています。
(2016年度の公募は終了いたしましたが、スタディグループの課題は随時受け付けております。お問い合わせはこちらまで。)
スタディグループ FAQ
Q. 課題を提示するとどんなメリットがあるの?
A. 提示された課題の具体的解決に結びつく可能性があります。すぐには解決に至らない場合でも、課題が数学的に明確にでき、その後に共同研究に発展し、解決に至る事も期待できます。さらに、数学の普遍性を利用して結果を全く別の課題に応用できる可能性も生まれます。これは数学・数理科学との協働ならではの大きなメリットです。
Q. 課題を提示する時はデータをどのくらいオープンにする必要があるの?
A. 課題に関するデータが多いほど、新しい発見の期待は高まります。ただし、データを提供する側にとっては公開が難しいものもあると思います。データの提示の仕方など知財に関する事は、コーディネータとの調整を通して柔軟に対応させていただきます。
Q. 課題を提示する側にはどれくらい数学の知識が必要なの?
A. 数学・数理科学を専門とする方がいらっしゃれば理想的ではありますが、必須ではありません。
Q. スタディグループは期間中にどこまで進めるの?
A. 1週間(月曜から金曜)の開催を例にとると、
月曜:課題提示
火曜〜木曜:数学・数理科学研究者と当該分野のエキスパートらによるチームが、課題解決のために集中討論
金曜:最終プレゼン「課題解決の方法の提示」
という流れになります。
スタディグループは与えられた課題に対する解決方法を提示することが目的となりますが、その後双方が望めば共同研究に発展する事も期待されます。
Q. 例えばどんな課題が提示されているの?
A. 代表的な事例を以下に示します。
例1「列車走行中の車輪・レール間接触面における力学的挙動の解析」
車輪・レールの転がり接触を効率よく解析するための方法とは?
例2「全自動歪取機制御ソフトウェアの改良」
自動車部品のシャフト類の熱処理後に生じる歪を除去する装置を改良したい。
例3「自然環境中での汚染物質の運命予測・移行挙動の解明」
大気や土壌中の放射性物質による汚染濃度の推移をどのように予測すればよいか?
これらの課題は、以下のスタディグループで実際に議論された内容です。
「安心・安全・快適な社会インフラ維持への数理科学の適用」(統計数理研究所)
「産業界からの課題解決のためのスタディグループ」(東京大学)
「複雑現象の数理モデル ー代謝・物質拡散現象の数理モデルとその可視化ー」(九州大学)
この他、東京大学・九州大学で実施しているスタディグループもあります。
Study Group Workshop 2016 (詳しくはこちら)
Study Group Workshop 2015 (詳しくはこちら)
Study Group Workshop 2014 (詳しくはこちら)
Study Group Workshop 2013 (詳しくはこちら)
Q. スタディグループに興味があります。もう少し詳しく聞いてみたいです。
A. ぜひ、気軽に事務局までお問い合わせください。(問い合わせはこちら)