数学・数理科学と共に拓く豊かな未来 数学・数理科学と諸科学・産業の恊働による研究を促進するための「議論の場」を提供
項目 内容
研究集会等の名称 産業界からの課題解決のためのスタディグループ
該当する重点テーマ ビッグデータ、複雑な現象やシステム等の構造の解明 、過去の経験的事実、人間の行動等の定式化 、計測・予測・可視化の数理 、リスク管理の数理 、最適化と制御の数理
キーワード マーケティング戦略 、環境数理 、3次元画像復元
主催機関
  • 東京大学
運営責任者
  • 山本 昌宏
  • 坪井 俊
  • 時弘 哲治
開催日時 2014/02/17 00:00 ~ 2014/02/21 00:00
開催場所 東京大学大学院数理科学研究科
最終プログラム

参加企業は花王、新日鐵住金、東和精機で、以下のようなプログラムを予定している:
2月17日(月)10:00-11:30,117号室:参加企業からの課題提起と説明 10:00-10:30:新日鐵住金 「マテリアルズインフォマティックスについて」 10:30-11:00:東和精機 「全自動歪取機制御ソフトウェアの変革」 11:00-11:30:花王 「表情の時系列データとそれから受ける印象結果の関係性の分析」 2月17日午後-2月21日(金)午前:各参加企業ごとに分かれて解決に向けたワーク、主体は院生、若手のポスドクで、各グループごとに経験のあるポスドクまたはファカルテイメンバーがコーデネーターとして議論のとりまとめなどを行う。コーデネーターは後日通知する。2月21日(金)、14:00- 16:00、117号室:得られた成果の報告会、課題を提示した企業からの成果の評価活動の主体がワークにあるので各コーデネーターの議論の組織化と取りまとめが重要である。

http://fmsp.ms.u-tokyo.ac.jp/SG1402.pdf

参加者(総数、内訳) 40(内、企業9人、外国人14人)
当日の論点

当日の論点
(1)新日鐵住金:
与えられた性質を持つ材料を設計するという究極の目的実現の第一歩として、結晶の原子配列と材料のマクロな性質をつなぐ原理を追求した。
(2)東和精機:
自動車部品のシャフトの熱処理後に生じる歪を除去する装置の改良を数理に基づいて行うためにはどうすればよいかを議論した。
(3)花王:
表情が明るい、暗い、落ち着いているなどの顔の印象を決定する要素として、「顔特徴点」の時系列データの構造を考え、それが表情の
印象をどのように決定しているかを議論した。

研究の現状と課題(既にできていること、できていないことの切り分け)

(1)新日鐵住金:
結晶の原子配列の対象性などの構造の研究と材料のマクロな性質は別個に研究が進んでいる。一方で原子構造から材料の例えば剛性などのマクロな性質がどのように導かれるかの研究は材料科学の究極の課題であり製造業でも長年にわたって追求されているが、決定な解決に至っていない。
(2)東和精機:
自動車部品のシャフトの熱処理後に生じる歪を除去する装置が開発されてから久しく、わが国の自動車産業を支えている。しかし経験や職人芸に左右される部分が大きく数学的な原理に基づく自動化が強く望まれている。
(3)花王:
表情という人間の主観に依存すると思われる要素を例えば時系列データとして捉えて数理科学的に研究することはまだ本格的になされていない。

 

新たに明らかになった課題、今後解決すべきこと

(1)新日鐵住金:
ミクロな構造とマクロな構造をつなぐ有効なマルチスケールモデルの考察ならびに複雑な高分子構造を合理的に特徴づけるための離散幾何学的な研究
(2)東和精機:
シャフトの歪の適切な表現、それに基づく新たなアルゴリズム
の開発
(3)花王:
表情に関する時系列データの数理的な解析

今後の展開・フォローアップ

随時、スタデイグループ形式で議論を継続・深化させる。実データとの
比較も行う。