修了生からの声

修了生からの声

基本情報

氏名: 米岡大輔
学位所得時期: 2016年3月(後期3年課程)
博士論文タイトル: Synthesis of regression results under different covariate sets
所属: 国立感染症研究所 感染症疫学センター 室長

在籍時の研究活動

統計科学専攻在籍時は逸見昌之先生指導の元、「生物統計」、特に「メタアナリシスの数理理論」の研究をしていました。メタアナリシスは、複数の過去研究から報告された要約統計量を、異質性を制御しながら一つの値に統合するための手法の総称です。統合の際には、過去研究には様々な違いが存在しますが(例えば回帰モデル内の共変量の違いやカテゴリー変数の違い)、そういった研究間の違いをどう異質性としてモデルの中に取り込むか、についての理論について詳しく研究しました。 また本テーマだけでなく、実データ解析を含む生物統計や機械学習の数理的側面に関して、様々な勉強をし、様々な教員や同級生と触れ合いながら研究活動を楽しむことができました。

修了後の活動

学位を取得後はアメリカ、スイスとポストドクトラルフェローとして渡り歩き、聖路加国際大学を経て現在の国立感染症研究所に異動しました。現在は、博士課程時より続くメタアナリシスの研究を継続しつつ、より大きな生物統計学全般の大きな枠組みの中で研究を行っております。特に近年は、COVID19パンデミック禍における公衆衛生データの迅速な解析と、保健的施策に資するエビデンスを提供するための手法の整備にも着手しました。これは、統計科学専攻の多数の同窓生との共同研究となっており、論文も多数出版したほか、本専攻の研究者ネットワークの層の厚さおよび統計科学の奥深さを感じる契機となりました。

統計科学専攻を選んだ理由

修士は医学系に所属しつつ、生物統計学や感染症の数理モデルの研究を行っていましたが、ある学会で国立情報学研究所や統計数理研究所の存在を知りました。統計数理研究所のオープンハウスに参加時に、生物統計のみならず様々な角度から統計学を研究している様子を見て、自分がやりたい研究の方向性はこれだと思い、統計科学専攻を志望しました。

統計科学コースの志願者へメッセージ

統計数理研究所には多様かつ第一線の専門性を持つ先生方が在籍しています。また、メインの研究分野以外の知識を(フレンドリーな雰囲気の中で)議論したり勉強したりする環境/チャンスは有意に他施設よりあると思います。少しでも興味を持ったならば、まずは連絡をしてみるのがいいかと思います。 また、卒業生も様々な分野で統計家として活躍しており、ここで培ったネットワークはいつまでも活きつづけます。非常に有意義な学生生活が送れることを約束いたします。キャンパスで会いましょう!