修了生からの声

修了生からの声

基本情報

氏名: 髙田正彬
学位所得時期: 2020年9月(後期3年課程)
博士論文タイトル: Sparse Regression for Correlated Variables
所属: 株式会社東芝 研究開発センター 知能化システム研究所 システムAIラボラトリー 研究主務 (統計数理研究所 ものづくりデータ科学研究センター 客員准教授)

在籍時の研究活動

企業の研究所で研究員をやりながら,藤澤教授の指導の下,社会人博士としてスパース推定の研究を行いました.スパース推定は,変数が多い場合に,パラメータ推定と変数選択を同時に実行する方法論です. もともと実務で,変数の多いデータを扱うことが多く,スパース推定をよく使っていました.博士課程では,そこで感じた実応用での課題感をモチベーションとして,手法の提案や理論的な解析を行いました.

修了後の活動

現在は,従来から所属していた企業の研究所で研究員をしています.業務では,データ分析で事業課題を解決しつつ,そこで得た技術的な課題を深耕して新たな方法論を研究開発しています.できるだけシンプルかつ汎用的な手法を開発して,様々な事業に横展開することを狙っています. 博士課程の経験は,今の業務でも大いに役立っています.博士時代に必死になって勉強した理論は,今の業務においても,技術課題を深く考えて解決するベースとなっています.また,研究の進め方や論文の書き方といった,研究開発を行う上で重要なスキルも身につきました.さらに,在学時に得た人脈は,企業内で研究開発を行う中でも力強いサポートになっています.

統計科学専攻を選んだ理由

統計科学専攻を選んだ理由は3つあります. 1つ目は,もともと統計数理研究所の藤澤教授と共同研究を行なっており,研究テーマや方針に親和性があったことです.これが,直接的に統計科学専攻のことを知るきっかけとなりました. 2つ目は,社会人でも博士取得しやすい環境であることです.先生とのゼミで必要な単位を取得でき,教員あたりの学生数が少ないため授業の時間など比較的融通を効かせてもらいやすいです.そのため,多くの社会人博士が在籍しています. 3つ目は,統計数理の専門家が多くいらっしゃり,広範な研究分野をカバーしていることです.研究で困ったときには,親身に相談に乗っていただき,有益なアドバイスをいただけます.私の在学時には,学生と若手教員で輪読会も開催されていました.

統計科学コースの志願者へメッセージ

統計科学は面白い学問です.実データから新たな知見が得られたときは興奮しますし,その統計手法を数理的に解明してある種の保証ができたときには感動があります. しかも,統計科学は役立つ学問です.データサイエンスが科学や産業の要(かなめ)になっていることは間違いありません.統計科学専攻での経験が活かせる場は,アカデミア・インダストリ問わず,多くあります. 是非,楽しみながら,学び深めていただければと思います.