修了生からの声

修了生からの声

基本情報

氏名: 川島孝行
学位所得時期: 2019年3月(5年一貫制課程)
博士論文タイトル: Robust Regression Modeling with Sparsity
所属: 東京工業大学 情報理工学院 数理・計算科学系 助教

在籍時の研究活動

統計科学専攻に在籍していたときには、藤澤洋徳先生の指導の下、「ロバスト統計」と「スパースモデリング」の融合を目指した研究をしていました。「ロバスト統計」は外れ値がデータに内在している時に妥当な統計的推論を行うための手法です。「スパースモデリング」は統計モデルの構造にスパース性が存在している時に、そのスパース性を有効に活用してデータ解析するための手法です。 とはいえ、最初から順調だったわけではありません。5年という期間で、上記以外のテーマの勉強や、様々な教員や同級生との研究雑談などの刺激的な日々を過ごす中でやっと見つけることができました。この5年間の学びと経験が、今の自分の人生に大きな影響を与えています。

修了後の活動

学位を取得後は東京工業大学に助教として就職して現在に至っています。統計科学専攻に在籍していたときの研究を継続しつつ、大きな枠組みでいうと「統計的機械学習」の研究を行っています。また、助教になって1年を経過した頃にコロナ禍が始まり、新型コロナウイルスに関連したデータ解析にも関わるようになりました。実は、このデータ解析は、統計科学専攻の同窓生3人での初の共同研究でもあり、多くの論文も執筆しました。メインの方は公衆衛生が専門なので、このような研究とは関わりが深いのですが、自分の専門は既述したように統計的機械学習で、もう一人の方の専門は金融に関連した統計解析です。なので、身をもって統計科学を研究するということの難しさを経験すると同時に、面白さを実感しています。

統計科学専攻を選んだ理由

大学は、いわゆる情報系に所属していて大学院も同じところを考えていました。しかし、今のままの研究を進めるということに疑問が出てきてしまい、より数理的なことをやるために別な大学院に行こうと決心しました。そういう研究へのスタンスであれば国立情報学研究所や統計数理研究所もあるというのを教えていただき、統計数理研究所のオープンハウスに参加したときに、藤澤先生のポスター発表を見て、自分がやりたい研究の方向性はこれだと思い、統計科学専攻を志望しました。

統計科学コースの志願者へメッセージ

統計数理研究所には、統計を軸とした多様な先生方が多くいらっしゃいます。自分のメインの研究分野以外にも多くのことを学びやすい環境があります。海外からの研究者の滞在も多く、国際研究集会も多数開催されていて、最先端の研究に触れ合える機会もあります。統計科学を研究したい方には、最高の環境だと思います。