数学・数理科学と共に拓く豊かな未来 数学・数理科学と諸科学・産業の恊働による研究を促進するための「議論の場」を提供
項目 内容
研究集会等の名称 数理材料科学WG
採択番号 2014G01
該当する重点テーマ ビッグデータ、複雑な現象やシステム等の構造の解明 、疎構造データからの大域構造の推論 、過去の経験的事実、人間の行動等の定式化 、計測・予測・可視化の数理 、リスク管理の数理 、最適化と制御の数理
キーワード 物質・材料科学に関連するあらゆる概念 、数学・数理科学に関連するあらゆる概念
主催機関
  • 統計数理研究所
運営責任者
  • 松江 要
開催日時 2014/04/01 00:00 ~ 2015/03/31 00:00
開催場所 主に東京・仙台。詳細は「プログラム」に記載。
最終プログラム

ミニスタディグループ「マテリアルズ・インフォマティクス」
2014. 6/30(月) - 7/1(火)
@東北大学WPI-AIMR2階 多元研図書館ミーティングルーム

6/30(月)
10:00 - 10:30
松江 要「本スタディグループの趣旨」
10:30 - 12:00
小林 景、西山 悠「ミニチュートリアル『カーネル法』」
13:30 - 14:30
中川 淳一「マテリアルズ・インフォマティクスの数理」
14:30 - 17:00
課題抽出・解決のためのディスカッション(適宜休憩)

7/1(火)
9:30 - 16:30
課題抽出・解決のためのディスカッション(適宜休憩)
16:30 - 17:00
松江 要「まとめ、JSIAMワークショップ・今後の活動方針」

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数学協働プログラム・日本応用数理学会ワークショップ「数理科学の物質・材料科学への応用」
2014. 9/4(木)
@政策研究大学院大学 想海樓ホール
オーガナイザー:
松江 要(統計数理研究所・数学協働プログラム)
西浦 廉政(東北大学原子分子材料科学高等研究機構)
中川 淳一(新日鐵住金株式会社)
詳しくは http://coop-math.ism.ac.jp/event/2014W02 を参照の事。
広告:こちらより入手可能

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4者会議 @ 東北大学WPI-AIMR

2014. 9/8(月)

小谷 元子(東北大学理学研究科数学専攻・原子分子材料科学高等研究機構)
西浦 廉政(東北大学原子分子材料科学高等研究機構)
赤木 和人(東北大学原子分子材料科学高等研究機構)
松江 要(統計数理研究所・数学協働プログラム)

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「原子分解能ホログラフィーの解析手法についてのスタディグループ

共催:新学術領域「3D活性サイト科学」

2014. 10/30(木)13:30 - 17:30 @サピアタワー(東京駅隣接)東北大学 東京分室

参加者制限有りのclosedなスタディグループ。

 

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2015. 2/9(月)

協働研究情報システムの下に「数理材料科学コミュニティ」設置。同日、運営を開始。

参加者数 数学・数理科学:7、 諸科学:9、 産業界:1、 その他:
当日の論点

1. ミニスタディグループ「マテリアルズ・インフォマティクス」

2014年6月30日-7月1日に、東北大学WPI-AIMRにてミニスタディグループとして開催した。

本スタディグループでは新日鐵住金株式会社の中川淳一氏を迎え、産業界からの数理科学と材料科学の協働の可能性も共に議論した。

初日はカーネル法など、データ駆動型解析手法のチュートリアルセミナーを開催した。

さらに中川淳一氏による「マテリアルズ・インフォマティクスの数理」にて、原子配置からの不変量の抽出・それに伴う原子配置の制御に関する取り組みと、シュレディンガー方程式の固有値問題の解の数理的評価に関する話題提供を受けた。

2日め2013年度の作業グループ会合からの話題提供に関して踏み込んだ議論が成された。

 

2. ワークショップ「数理科学の物質・材料科学への応用」

物質・材料科学分野の中に潜む数理科学の問題や取り組み、および既存の数理科学の理論を物質・材料科学分野の問題に適用した例を紹介し、数理科学と物質・材料科学の融合研究を身近に感じてもらうことを目的として、日本応用数理学会2014年度年会の特別セッションとしてワークショップを開催した。

開催日は 2014年9月4日。

運営は松江が中心となり、さらにWPI-AIMRの西浦廉政教授と新日鐵住金株式会社の中川淳一氏を迎え、数理科学分野、物質材料科学・材料工学分野、産業界から講演者を選定した。

 

3. ミニスタディグループ「原子分解能ホログラフィー」

他分野からの課題提供と問題解決に向けたディスカッションの場として、東北大学WPI-AIMRの赤木和人准教授が仲介役となり、2014年10月30日に東北大学東京分室にてミニスタディグループを開催した。

当作業グループ有志と新学術領域研究「3D活性サイト科学」のメンバーが集い、SPring8の松下智裕氏による「原子分解能ホログラフィー法」に関するレクチャー・課題の紹介を通して、統計数理、数学の理論を応用した解決のための議論が活発に行われた。

 

4. 「数理材料科学コミュニティ」運営開始

全国各地における研究者の活動に関する情報が見えにくい、あるいは非常に分散している現状が作業グループ内でも議論となった。

この現状を少しでも改善するため、異分野研究者間の「ネットワーク」を形成する計画を立案、議論を行い、「数理材料科学コミュニティ」の運営を2015年2月9日より開始した。

異分野協働活動の初期段階として必要な、異分野協働活動に関心を持つ研究者や研究活動の情報を集約し、異分野間の情報収集の壁を低くするための「触媒」となる事を目指すものである。

URL : http://coop-math.ism.ac.jp/info/MathMate-comm

本コミュニティでは数学・数理科学・物質材料科学分野における様々なワークショップなどの開催情報、関連する科学技術政策の報告書を集約し、誰でも気軽に情報を閲覧する事が可能となっている。

また専用のメーリングリストを設置し、メンバー間で情報を積極的に共有・発信できるようにしている。

研究者同士の顔合わせのための敷居を下げるための工夫として、コミュニティへの参加にあたり所属や研究テーマを記載いただき、それをコミュニティページに掲載している。

これにより、特定の研究テーマに関連する研究者を外部から確認できるようにしている。

 

研究の現状と課題(既にできていること、できていないことの切り分け)

産業界からの課題を含め、物質・材料科学分野の課題を、数学・数理科学の問題に帰着させる事は、専門用語、問題の適切な解釈など様々なハードルがある。

しかし、どのような分野であれば適切な解釈ができるか、誰がそのような分野に従事しているか、情報が分散しているため、次のステップに進むためのアイデアを提示するだけでも膨大な時間を要する。

さらにそのような情報が手に入っても、多分野の研究者が長期間、一堂に会し、事業に従事しなければ実際の解決にたどり着くのは容易ではないと考えられる 。

新たに明らかになった課題、今後解決すべきこと

ミニスタディグループ「マテリアルズ・インフォマティクス」では、産業界にある材料科学の問題でも数学的に扱えるものがある可能性と、材料科学の問題を数理科学の問題に帰着させるための「フィルター」の必要性が活発に議論された。

実際、異分野間の問題やその解釈の橋渡しをうまく成さなければ、何を解けば良いかがわからなくなる可能性が大きい。

また、全国各地における研究者の活動に関する情報が見えにくい、あるいは非常に分散している現状は抜本的な改善が成されていない。

 

個々の研究者がどの程度、またどの立場から異分野連携を必要としているのか。

また必要としているならば、どのような観点から必要としているか、障害になりうる点はどこか。

このような点を包括的に注視・整理せずに闇雲に異分野連携を唱える、あるいはそれに携わる事業を興しても空振りに終わる可能性が高い。

今後の展開・フォローアップ

2015年2月9日より運営を開始した数理材料科学コミュニティは、引き続き運営を継続し、新しい取り組みも随時展開していく。

また、異分野協働に関する個々の研究者の意識、障害となりうる点、異分野連携に必要な点を多角的視点から調査・整理する事業を開始する(2015年4月23日より開始予定)。