1. ミニスタディグループ「マテリアルズ・インフォマティクス」
2014年6月30日-7月1日に、東北大学WPI-AIMRにてミニスタディグループとして開催した。
本スタディグループでは新日鐵住金株式会社の中川淳一氏を迎え、産業界からの数理科学と材料科学の協働の可能性も共に議論した。
初日はカーネル法など、データ駆動型解析手法のチュートリアルセミナーを開催した。
さらに中川淳一氏による「マテリアルズ・インフォマティクスの数理」にて、原子配置からの不変量の抽出・それに伴う原子配置の制御に関する取り組みと、シュレディンガー方程式の固有値問題の解の数理的評価に関する話題提供を受けた。
2日め2013年度の作業グループ会合からの話題提供に関して踏み込んだ議論が成された。
2. ワークショップ「数理科学の物質・材料科学への応用」
物質・材料科学分野の中に潜む数理科学の問題や取り組み、および既存の数理科学の理論を物質・材料科学分野の問題に適用した例を紹介し、数理科学と物質・材料科学の融合研究を身近に感じてもらうことを目的として、日本応用数理学会2014年度年会の特別セッションとしてワークショップを開催した。
開催日は 2014年9月4日。
運営は松江が中心となり、さらにWPI-AIMRの西浦廉政教授と新日鐵住金株式会社の中川淳一氏を迎え、数理科学分野、物質材料科学・材料工学分野、産業界から講演者を選定した。
3. ミニスタディグループ「原子分解能ホログラフィー」
他分野からの課題提供と問題解決に向けたディスカッションの場として、東北大学WPI-AIMRの赤木和人准教授が仲介役となり、2014年10月30日に東北大学東京分室にてミニスタディグループを開催した。
当作業グループ有志と新学術領域研究「3D活性サイト科学」のメンバーが集い、SPring8の松下智裕氏による「原子分解能ホログラフィー法」に関するレクチャー・課題の紹介を通して、統計数理、数学の理論を応用した解決のための議論が活発に行われた。
4. 「数理材料科学コミュニティ」運営開始
全国各地における研究者の活動に関する情報が見えにくい、あるいは非常に分散している現状が作業グループ内でも議論となった。
この現状を少しでも改善するため、異分野研究者間の「ネットワーク」を形成する計画を立案、議論を行い、「数理材料科学コミュニティ」の運営を2015年2月9日より開始した。
異分野協働活動の初期段階として必要な、異分野協働活動に関心を持つ研究者や研究活動の情報を集約し、異分野間の情報収集の壁を低くするための「触媒」となる事を目指すものである。
URL : http://coop-math.ism.ac.jp/info/MathMate-comm
本コミュニティでは数学・数理科学・物質材料科学分野における様々なワークショップなどの開催情報、関連する科学技術政策の報告書を集約し、誰でも気軽に情報を閲覧する事が可能となっている。
また専用のメーリングリストを設置し、メンバー間で情報を積極的に共有・発信できるようにしている。
研究者同士の顔合わせのための敷居を下げるための工夫として、コミュニティへの参加にあたり所属や研究テーマを記載いただき、それをコミュニティページに掲載している。
これにより、特定の研究テーマに関連する研究者を外部から確認できるようにしている。
|