ウェーブレット理論と工学への応用プログラム
平成 28 年 11 月 22 日(火)13:20 -- 18:00 13:30--14:30 章 忠, CHONG HUEI SHAN, 戸田 浩, 秋月 拓磨, 三宅 哲夫 (豊橋技術科学大学) 2次元複素数離散ウェーブレット変換による上咽頭粘膜病変部位の抽出
上咽頭粘膜病変は臨床的に特徴的な所見が乏しく,診断に苦慮する疾患である. これまでに,経験のある医者は内視鏡の画像により,上咽頭粘膜に特徴的な変化を観察し, 診断を行っている.本研究では,客観的な診断方法を支援するために, 2次元複素数離散ウェーブレット変換を用いて内視鏡検査によりで得られる画像から 粘膜の病変部位を抽出し,数値化することを試みる. さらにこの手法の問題点と改善について議論する.
15:00--16:00 鈴木 俊夫, 善甫 啓一, 木下 保 (筑波大学) ウェーブレットを用いたディストーションサウンドの特徴量抽出
ディストーションサウンドが用いられている音楽の耳コピの精度は,個人の能 力や経験に大きく依存する.しかし,ディストーションフィルタはクリッピングを含 む非線形変換であるため,Fourier変換を用いた解析は難しい.今回我々はウェーブ レットを用いて,ディストーションサウンドの歪みの特徴量を提案する.さらに,提 案手法を用いた耳コピへの応用についても紹介したい.
16:30--17:30 芦澤 恵太 (舞鶴高専), 森田 雅貴 (名城大学) DCTとウェーブレット変換を縦横に組み合わせた直交変換を ブロック毎に用いる適応的画像圧縮法
現在,普及している非可逆画像圧縮方式の多くは, ブロック単位の離散コサイン変換DCTに基づいている. 平成25年の本ワークショップにおいて, 最も単純なウェーブレット変換であるハール変換を利用することで, DCTに由来するJPEG標準の代表的な視覚的歪を軽減するアイデアを紹介した. 本講演では,その後の研究成果を報告すると共に, ハール変換を画像圧縮に用いた最近の研究についても報告する.
平成 28 年 11 月 23 日(水)9:30 -- 15:00
9:30--10:30 井川 信子 (流通経済大学), 守本 晃, 芦野 隆一 (大阪教育大学) 他覚的聴力検査に用いる誘発脳波のウェーブレット解析についての考察
自分の意思できこえを応えることができない場合,他覚的聴力検査が実施される. その中でも耳から音刺激を与えて誘発される脳波を用いる検査がある.この検査は MRIなどに比べると安価で行われる検査なので健診などでの活用が望まれるが, 脳波解析の難しさのために検診レベルの実用化が遅れている.計測時即時診断の実現を 求める目的で,我々はこれまで聴性誘発脳波解析にウェーブレット解析を適用してきた. これまでの成果と課題についてまとめることで,問題点を明確にし解決策について 議論する.
11:00--12:00 新井 康平 (佐賀大学) ウェーブレットによるポラリメトリックSAR画像分類
地表面とマイクロ波とのインタラクションメカニズムを偏波情報を 用いて解析することにより,画像分類する手法を紹介する.その際, 偏波情報の分解による散乱メカニズムの解明を用いる方法も紹介する. さらに,これに離散ウェーブレット変換を考慮することにより, 新たな情報抽出が可能になって分類制度向上が期待できることを示す.
13:30--14:30 滝口 孝志 (防衛大学校) コンクリート建造物に対する超音波CT開発と窓関数の応用
コンクリート建造物に対する tomographic な非破壊検査技術は未開発であるというのが 現状であるが,近年,三田紀行(職業能力開発総合大学校)と滝口の協働により, コンクリート建造物に対する超音波CT開発のアイデアが提案されている. 本講演では,コンクリート建造物に対する超音波 CT 開発のアイデアを紹介し, この問題に対する窓Radon変換の応用に関して議論する.
|