数学・数理科学と共に拓く豊かな未来 数学・数理科学と諸科学・産業の恊働による研究を促進するための「議論の場」を提供
項目 内容
採択番号 2016S05
タイトル 政治・社会事象の数的分析に関するスタディグループ
キーワード 数理モデル 、偶発性 、データ分析 、確率過程論 、最適化 、キーワード抽出
開催時期 2016/10/01 ~ 2016/12/31
開催場所 明治大学駿河台キャンパス(東京都千代田区神田駿河台1‐1)
2016年10月23日:アカデミーコモン9階309E教室※会場変更となりました
2016年12月23日:グローバルフロント3階4031教室
趣旨・目的  本スタディグループは、社会科学、特に政治学で取り扱われる社会事象について、数理科学の観点から分析し、これまでとは異なる知見を提示することを目的としています。
 政治学における数理科学的分析の代表例としては、選挙結果の分析や経済状況の分析といった統計解析が挙げられます。しかし、これらの研究は政治学の観点においては、優れた研究であると看做すことができますが、社会事象を研究対象とするため、厳密な分析や明快なモデル化が難しく、数理科学的には課題が多い分析結果であるものがほとんどです。そのため、本来であれば有益な知見の基礎となるべき統計解析による分析結果が生かされていないのが現状であると言えます。
 また、我が国における政治学に注目すると、社会事象の主観的評価に関する研究が多く、選挙戦術や景気改善といった社会からの要求が高い事項に関する客観的評価に関する研究例が少ない状況となっています。今後の政治学、ひいては社会科学分野の発展、ならびに社会からの要求に応えるためには、数値データの数理科学的分析と政治学的観点からの評価が必要です。しかし、政治学分野の研究者だけで評価することは困難であり、数理科学系の研究者との共同研究が望まれています。
 そこで、本スタディグループは、1940年代に中国大陸に成立した中華民国(汪兆銘政権)の中央銀行として設置された中央儲備銀行(1940年設立)による金融政策に注目します。周知のように、通貨発行権は国家主権と直結しており、その実務を担う中央銀行の設置は国家の正統性を内外に示すものです。そのため、中央儲備銀行の設置は、中国大陸における汪兆銘政権と蒋介石政権による中華民国政府内部における権力争いの一断面であると見なすことができます。また、その金融政策は汪兆銘政権を支援していた日本の経済状況、端的には戦況と密接にリンクしていました。そのため、日本の戦況悪化に伴い、中央儲備銀行が発行する紙幣は市場における信用を喪失したのみならず、高額紙幣発行を強いられた結果としてのハイパーインフレを招来し、汪兆銘政権のみならず、日本の金融政策が破たんする大きな要因となりました。その結果として生じた負債は、終戦後70余年を経た現在も政府一般会計予算に借入金として計上されています。
 しかし、第2次世界大戦において重要な役割を果たした中央儲備銀行の実態は、戦時中に設置された中央銀行であるため、資料があまり残存していないことや、極めて複雑かつ高度な資金の動きがあることなどにより、これまで十分な調査研究が行われてはきませんでした。しかし、当時の連合国が日本側の資金が尽きる時期を終戦時期と見ていたことや、その時期が中央儲備銀行の存在によって大幅に後ろ倒しになったことなどを踏まえると、中央儲備銀行の実態を解明することは、戦後日本政治外交史における一大テーマである太平洋戦争に関する調査研究に大きく貢献することが期待されています。
 本スタディグループにおいては、以上の問題意識を踏まえ、数理科学系と政治学系の研究者が協力し、データを評価・分析することにより、社会に有用な知見を提示するための基盤構築に寄与することを目指します。
プログラム

第1回会合(2016年10月23日(日))

 ワークショップ①(10時00分~12時00分)(公開)

  開会挨拶:西川伸一(明治大学政治経済学部)
  趣旨説明:小森雄太(明治大学政治制度研究センター)
  課題提示①:笹岡伸矢(広島修道大学法学部/明治大学政治制度研究センター)
  課題提示②:森本孝之(関西学院大学理工学部)
  課題提示③:高田宗樹(福井大学大学院工学研究科)
  課題取りまとめ①:五條理保(明治大学政治制度研究センター)

 

 ワークショップ②(13時00分~17時00分)(非公開)

  論点整理:松浦康之(プリンス・オブ・ソンクラー大学)

  課題検討①&②(データ解析手法および数理モデルの方向性に関する検討)
  課題取りまとめ②:小森雄太(明治大学政治制度研究センター)
  閉会挨拶:西川伸一(明治大学政治経済学部)

 

第2回会合(2016年12月23日(金・祝))(開始時間が変更となっております)

 ワークショップ③(14時30分~18時00分)(公開)

  開会挨拶:西川伸一(明治大学政治制度研究センター)

  課題提示④:海野啓明(元仙台高等専門学校)

        佐藤亮太((株)日立アドバンストシステムズ)

        園田 潤(仙台高等専門学校)

  成果報告:小森雄太(明治大学政治制度研究センター)

  課題提示⑤:五條理保(明治大学政治制度研究センター)

  研究総括:(進行)西川伸一(明治大学政治制度研究センター)

 

 ワークショップ④(18時00分~20時00分)(非公開)

  実務会合(今後の調査研究に関する検討)

  閉会挨拶:西川伸一(明治大学政治経済学部)

参加制限の有無 無し
参加資格 特にありません。
参加申込の要不要 不要
申込方法

直接会場にお越しください。

参加費の有無 無し
参加費の詳細 参加費は無料です。
運営責任者
  • 小森 雄太
  • 西川 伸一
問合せ先 ご不明な点などがございましたら、下記連絡先までお問い合わせください。
明治大学政治制度研究センター(carpi■meiji.ac.jp(■をアットマークに変えてください))
情報更新日 2016/12/22