臨床研究統計コース

概要

データ解析は、解析の対象となるデータの出所と不可分ではありません。臨床研究のデータ解析を行うには、臨床研究で使われる研究デザインの理解が必要です。
本コースでは、まず治験、臨床試験、非臨床試験とは何かから始め、臨床研究でよく用いられる代表的な研究デザインであるランダム化比較試験(Randomized Controlled Trial, RCT)、コホート研究、ケース・コントロール研究の説明とそれらの研究デザインのもとでのデータ解析について、実例も交えながら解説します。基礎概念から始め、臨床研究で使われる実践的なデータ解析の方法までを解説します。
また、臨床研究のデータを解析する上で避けては通れない経時的反復測定データの取り扱い方法と欠測を含むデータの取り扱い方法についての解説も行います。
さらに「リアルワールドデータ」「傾向スコア」「ビッグデータ」などの本領域における現代的トピックについても、第一線の実践者による講義を予定しています。
本コースを受講することで、臨床研究のデータ解析を行う上での基本的な準備が完了するだけでなく、最新の手法についても知ることができます。

オーガナイザー

立森久照(国立精神・神経医療研究センター)

開催要項

日 時 2018年8月3日(金)~9月5日(水)[13:30~17:00]、全10回5日間
会 場 統計数理研究所 セミナー室5(3階D313・D314)
東京都立川市緑町10-3 (アクセス
参加申込 参加申し込み・お問い合わせは こちら からお願い申し上げます。
単一の講義毎のお申し込みはできません。また参加登録をいただいた方には、原則として、全ての講義への参加継続をお願いいたします。(欠席の頻度が多かった場合には、参加登録を取り消しさせていただくこともあります旨、ご了承くださいませ。)

コースの構成

  1. 「臨床研究の概説:治験,臨床試験」
    日時:2018年8月3日(金)13:30〜15:00
    講師:柴田太朗 先生(国立がん研究センター)
    概要:人を対象とした介入を伴う治験・臨床試験を実施する際には、科学的にも倫理的にも非臨床試験とは異なる留意点がある。本講座では、治験・臨床試験を通した治療法開発・評価の概略を紹介し、科学的・統計学的事項、倫理的事項、制度に係わる事項等これらの研究を計画・実施する際に考慮すべき点について解説する。
  2. 「リアルワールドデータ」
    日時:2018年8月3日(金)15:30〜17:00
    講師:宮田裕章 先生(慶應義塾大学)
    概要:従来のランダム化比較試験(RCT)によるエビデンスをゴールドスタンダードとする流れに対して,近年リアルワールドデータに基づいたエビデンスを活用しようという潮流がある。リアルワールドデータとは実診療行為に基づくデータのことであり,レセプトデータ,DPCデータ,電子カルテデータなどが代表である。近年重要性がますリアルワールドデータの活用について事例を交えて紹介したい。
  3. 「無作為化比較試験の統計解析と評価法 I」・4.「無作為化比較試験の統計解析と評価法 II」
    日時:2018年8月10日(金)13:30〜15:00・15:30〜17:00
    講師:奥村泰之 先生(東京都医学総合研究所)
    概要:無作為化比較試験は、あらゆる研究法の中で、エビデンスレベルが最高峰のものと考えられています。しかし、「無作為化比較試験の質」は、必ずしも高いとは限りません。そこで、本講習では、「無作為化比較試験の計画・解析・報告の基礎」を養うことを目標とします。
  4. 「観察研究のデザインI:コホート研究」・6.「観察研究のデザインII:ケース・コントロール研究」
    日時:2018年8月16日(木)13:30〜15:00・15:30〜17:00
    講師:可知悠子 先生(北里大学)
    概要:本講義ではコホート研究とケース・コントロール研究について学びます。いずれも要因とアウトカムの因果関係を評価するための研究デザインです。各デザインの特徴を理解し、それぞれから得られる結果を正しく解釈できるようになりましょう。
  5. 「臨床研究におけるビッグデータの活用」
    日時:2018年8月31日(金)13:30〜15:00
    講師:角田達彦 先生(東京医科歯科大学)
    概要:医学・医療の世界は現在、次世代シークエンサーなどの先端の技術や、ビッグデータの活用、がんなどの疾患と免疫との関わりなどの知見も深まり、日々、大きく変わっています。その中、臨床研究や統計学、数理科学手法にも新しい方法論が求められます。講義では、背景、課題、そして人工知能などに期待する現場の声を届けたいと思います。
  6. 「傾向スコア」
    日時:2018年8月31日(金)15:30〜17:00
    講師:星野崇宏 先生(慶應義塾大学)
    概要:観察研究による因果推論の手法は大きな発展をしてきたが,その中でも傾向スコアを利用した観察データからの因果推論はすでに多くの応用例がある。本講義では,傾向スコアを用いた観察研究での因果効果推定の考え方と解析法について具体例と共に説明を行う。
  7. 「経時的反復測定データの取り扱い方」
    日時:2018年9月5日(水)13:30〜15:00
    講師:丸尾和司 先生(筑波大学)
    概要:臨床研究において,アウトカムが同一被験者に対して経時的に反復測定され,相関を持った多変量データが観測されることが多い.本講座では,反復測定された連続アウトカムに対する解析法として一般に用いられるmixed models for repeated measures (MMRM)法に焦点を当て,基盤をなす統計理論や実際のデータ解析の際の留意点などを解説する.
  8. 「欠測データの解析」
    日時:2018年9月5日(水)15:30〜17:00
    講師:野間久史 先生(統計数理研究所)
    概要:ほとんどすべての臨床研究・疫学研究で、欠測は避けられない問題であり、統計解析の際に適切な処理がなされなければ、深刻なバイアスや検出力の低下をもたらします。本講義では、欠測データの統計解析について、基本的な概念から実践的なデータ解析の方法まで平易な解説を行います。