数学・数理科学と共に拓く豊かな未来 数学・数理科学と諸科学・産業の恊働による研究を促進するための「議論の場」を提供
項目 内容
研究集会等の名称 数学・数理科学専攻若手研究者のための異分野・異業種研究交流会2016
採択番号 2016C01
該当する重点テーマ ビッグデータ、複雑な現象やシステム等の構造の解明 、疎構造データからの大域構造の推論 、過去の経験的事実、人間の行動等の定式化 、計測・予測・可視化の数理 、リスク管理の数理 、最適化と制御の数理
キーワード 数学イノベーション 、人材育成 、産学官協働
主催機関
  • 日本数学会
運営責任者
  • 小谷 元子
開催日時 2016/11/19 11:00 ~ 2016/11/19 20:00
開催場所 明治大学先端数理科学インスティテュート
最終プログラム

11:00-11:05 開会挨拶 

  小谷元子(日本数学会理事長)

      渡辺正実(文部科学省研究振興局基礎研究振興課長)
11:10-11:15 来賓挨拶 

      長谷川知子(日本経済団体連合会 教育・スポーツ推進本部副本部長)
11:15-11:50 基調講演
 「FinTechへの取り組み:数学・数理科学人材への期待」
講師:村林聡氏(株式会社三菱東京UFJ銀行専務取締役)
   -休憩-
13:00-14:30 参加企業紹介
14:30-16:00 若手研究者によるポスター発表
16:00-18:00 個別交流会
18:30-20:00 表彰式・情報交換会(会員制)
【共催】日本応用数理学会、東京大学数物フロンティア・リーディング大学院、明治大学先端数理インスティテュート

【後援】日本経済団体連合会

【協力企業】アイシン・エィ・ダブリュ株式会社、旭硝子株式会社、株式会社構造計画研究所、株式会社東芝、株式会社ニコン、株式会社三井住友銀行、株式会社日立製作所、株式会社富士通研究所、株式会社三菱東京UFJ銀行、公益財団法人鉄道総合研究所、国立研究開発法人海洋研究機構開発、国立研究開発法人産業技術総合研究所、新日鐵住金株式会社、住友生命保険相互会社、ソフトバンクモバイル株式会社、大同生命保険株式会社、日本アイ・ビー・エム株式会社、トヨタ自動車株式会社、日本生命保険相互会社、日本電気株式会社、日本電信電話株式会社、日本ユニシス株式会社、BNPパリバ証券株式会社、マツダ株式会社、ヤフー株式会社、ライフネット生命保険株式会社、楽天技術研究所

【協力大学】大阪大学数理・データ科学教育研究センター、京都大学大学院理学研究科・数理解析研究所、九州マス・フォア・インダストリー研究所、慶應義塾大学統合数理科学研究センター、東京工業大学理学院数学系・情報理工学院数理・計算機系、北海道大学大学院理学研究院・電子科学研究所付属社会創造数学センター、名古屋大学大学院多元数理科学研究科、東北大学大学院理学研究科・情報科学研究科、早稲田大学理工学学術院

参加者数 数学・数理科学:88、 諸科学:、 産業界:66、 その他:37
当日の論点

1. 基調講演

 題目:Fintechへの取り組み:数学・数理科学人材への期待

 講師:株式会社三菱東京UFJ銀行専務取締役 村林聡氏

 概要:急速に注目を得ている金融技術FinTechについて、三菱東京UFJ銀行での取り組みについてとベンチャー企業の育成についての紹介について講演をいただいた。数学・数理科学を活かした活躍kの場が期待されていること、特に若手研究者への期待が述べられた。

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2.参加企業・研究所紹介

 協力いただいた28団体(企業・研究所)より、数学・数理科学が活かされている業務活動や本分野の学生のインターンシップ・採用実績等が紹介された。

3.若手研究者によるポスター発表

 全国からの若手研究者(大学院学生、ポスドク等)54名によるポスター発表がなされた。


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4.顕彰事業の実施

54件のポスター発表に対して、参加企業、共催学術団体、社会連携協議会委員による審査委員会を結成して審査を行った。数学・数理科学での研究が諸科学や産業への応用可能性が高いもしくは今後期待できる研究内容をわかりやすく発表した発表者を表彰した。今回 は以下の7名の表彰を行った。

   京都大学 後藤田 剛(D3)

 九州大学 三浦 正成(D2)

 慶應義塾大学 中村 知繁(D1)

 東京大学 林 晋(PD)

 東京大学 李 嘉衣(D3)

 明治大学 SVIRIDOVA Nina(PD)

  早稲田大学 延東 和茂(D1)

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 5.個別交流会

 若手研究者が企業ブースを訪問し、企業への相談を行った。

多くの質問は、1)当該企業の業務で数学の研究経験が活かせるか、2)プログラミング等の技術の習得が必要か、3)インターンシップの参加の仕方、等であった。


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6.情報交換会

研究交流会参加の企業・研究所からの参加者、ポスター発表者、および一般参加者等100名を超える参加者により、情報交換会が開催された。企業同士の情報交換、個別交流会で相談できなかったことやポスター発表の討論の続きなどが行われた。 ポスター発表について共同研究を持ちかけられたケースもあった。

研究の現状と課題(既にできていること、できていないことの切り分け)

1.社会連携協議会が主体となって組織的な運営が行われるようになった。年々ノウハウが蓄積されて、スムーズな運営ができている。

2.多くの学生・若手研究者がポスター発表に参加し、企業・研究所との討論が行えるようになってきた。また、企業・研究所との個別交流会を通して数学のニーズが具体的に得られるようになっている。年々企業も数学研究者との交流の仕方が分かってきている。

3.若手研究者のポスター発表が企業へのアピールであることが必ずしも自覚されていないところがある。企業への学生の対処の教育が不足している。

 

新たに明らかになった課題、今後解決すべきこと

1.大学の数学・数理科学の教員がもっと参加して、企業との交流を深める必要がある。

2.事務局体制が十分でなく、スタッフの増員に課題がある。

3.予算の問題に課題がある。

4.各大学からの教員の参加が消極的であることが課題である。教員と企業との交流が促進される必要がある。

その他、未加盟の数学教室への協力依頼、参加企業の誘致、財政サポート、人的サポートの改善等多くの課題がある。

 

今後の展開・フォローアップ

1.本研究交流会を含む人材育成事業の拡大

2.日本数学会年会(2017年3月)でのキャリアパスセミナーの

開催

3.数学・数理科学系大学院博士課程修了者の進路調査

4.日本数学会機関誌「数学通信」に学会員向けに今回の研究交流会の報告を行う

5.2017年度の社会連携協議会活動の検討と異分野・異業種研究交流会2017の実行計画策定