出席者数(講演者およびポスター発表者を含む)が230名の盛会となった。物理と情報を含めた数学・数理科学では58名(数学に限定すると25名)、生命科学(ここでは諸科学と分類)から159名の参加があった。12名が研究支援機関から、不明は1名であった(これらはその他と分類)。産業界からの参加者は生命科学からの参加者であり13名であった。講演者は20名、ポスター発表者は86名であった。
複雑かつ階層的なシステム構造を扱う生命科学は、ヒトのゲノム配列の決定を契機として、遺伝子、エピジェネティック情報、蛋白質構造、蛋白質相互作用に関するビッグデータを扱うことで大きく発展を遂げつつある。生命の動態、すなわち時間軸の中の現象として生命をとらえるアプローチは、今後の日本の生命科学における重要な柱として認識され、数理科学との融合によるその発展が重要な課題となっている。そこで、生命動態の4拠点に加え、CREST、さきがけ、QBiCのメンバーを中心に合同シンポジウムを行い、そのタイトルにあるように、下記の課題を生命科学の観点および数理科学の観点から議論した。
・生命現象のダイナミクス
・細胞のダイナミクス
・核におけるクロマチンのダイナミクス
・遺伝子のダイナミクス
シンポジウムでは、生命の動態について我が国の代表的な研究成果の紹介を中心に行なった。中心的な生命科学研究者の発表の中でも、実験により蓄積したデータを数理モデルから検証、予測を行う例が多く示され、生命科学と数理科学の融合の有用性は実感できた。
数学協働プログラムとしては上記シンポジウムに協賛し、ポスター発表者のなかで下記若手研究者10名について、「生命動態合同シンポジウム 数学協働プログラムポスター賞」として旅費および滞在費を支援した。
神永 祐貴 (東京大)
森谷 孟史 (東京工業大)
西田 暁史 (東京工業大)
林 達也 (東京大)
東島 佳毅 (東京大)
神吉 康晴 (東京大)
桂 真理 (東京大)
野村 典正 (東京医科歯科大)
寺薗 英之 (東京医科歯科大)
小田 有沙 (東京大)
上記の参加者は、ポスター発表だけでなく講演会にも参加し、生命の動的振舞に関して活発に議論した。 |