数学・数理科学と共に拓く豊かな未来 数学・数理科学と諸科学・産業の恊働による研究を促進するための「議論の場」を提供
項目 内容
研究集会等の名称 新たなウイルス出現を予測する数理的手法の妥当性検証と比較
採択番号 2014S06
該当する重点テーマ 過去の経験的事実、人間の行動等の定式化 、計測・予測・可視化の数理 、リスク管理の数理
キーワード 感染症 、予測 、確率モデル 、個体群動態
主催機関
  • 統計数理研究所
  • 東京大学大学院医学系研究科
運営責任者
  • 斎藤 正也
  • 西浦 博
開催日時 2014/12/11 13:00 ~ 2014/12/12 15:00
開催場所 コンパスイオン大阪駅前会議室
最終プログラム

感染現象および感染症流行の理論的研究に携わる研究者のうち,特に構造化個体群モデルなどメカニズムを捉えた機構的モデルを利用して,新しい感染症の発生・流行の予兆・予測に関わる研究に従事している或いは興味がある研究者によってチームを形成して小研究会を開催する.各チームは2名の講師及び講師を含む3-4名の聴講者によって,全員が議論に参加をする形で構成する.会議の進行は運営責任者の斎藤・西浦が責任を持ち、チーム毎のモデレータは立てない。少なくとも1つの課題に関する原著論文を仕上げることを前提に,共同研究のシーズ発見をめざした深い議論を行うため、講演数と聴講者の両方を少なく設定し、その見返りとしてチーム間で共同してオリジナル研究を生み出すことに注力する。各講演者が1時間~2時間の講演の中で問題提起を行い、1日目の午後の討論セッションにおいて、共同研究で取り組む課題を決定し,その解決手段について集中的に議論する。

参加者数 数学・数理科学:5、 諸科学:4、 産業界:0、 その他:0
当日の論点

会期中に現在までに発表された研究で明らかになった点および参加者各位が到達することのできた点について互いに発表した。それを基に共同研究テーマとして遂行できそうな課題を模索し、流行モデルのデータ同化と新興感染症の国際的伝播のモデル実装について共同研究を実施するところまでを決定した。

研究の現状と課題(既にできていること、できていないことの切り分け)

新興感染症の特性を明らかにするには、その感染経路を捕捉する必要がある。これまでに、感染経路を捕捉する方法として、(1)遺伝子の進化系統樹を利用する方法、(2)航空路線情報と疫学調査を利用する方法が用いられてきたが、(1)、(2)の両方を整合的に統合する手法は未だ開発されていない。

新たに明らかになった課題、今後解決すべきこと

集団遺伝学と進化疫学モデルを統合するアプローチは複数あり、それぞれの短所と長所を見極める必要がある点を確認した。今後、選択圧による病原体の変異と自然選択を通じた進化についてデータ同化を用いる枠組みを構築することで、これ解決していく。

今後の展開・フォローアップ

統合モデルの検討については引き続き定期的に連絡を取り合って議論を続けていくことを予定している。公開されている国際的伝播についての観察データを利用した実装を準備中である。