数学・数理科学と共に拓く豊かな未来 数学・数理科学と諸科学・産業の恊働による研究を促進するための「議論の場」を提供
項目 内容
研究集会等の名称 数理・生命科学WG
採択番号 2014G02
該当する重点テーマ ビッグデータ、複雑な現象やシステム等の構造の解明 、疎構造データからの大域構造の推論 、過去の経験的事実、人間の行動等の定式化 、計測・予測・可視化の数理 、リスク管理の数理 、最適化と制御の数理
キーワード 数理科学 生命科学
主催機関
  • 統計数理研究所
運営責任者
  • 藤澤 洋徳
開催日時 2014/10/20 10:00 ~ 2014/10/20 17:00
開催場所 統計数理研究所
最終プログラム

2014年度第会合

10:00-10:20:メンバーによる研究紹介

10:20-12:00:話題の整理

13:00-17:00:議論の総括

 

以下のメンバーが参加して議論した:

望月 敦史 理化学研究所 (リーダー)
有田 正規 遺伝学研究所/理化学研究所
大槻 久 総合研究大学院大学
鹿島 久嗣 京都大学
柴田 達夫 理化学研究所
藤澤 洋徳 統計数理研究所
藤森 俊彦 基礎生物学研究所
間野 修平 統計数理研究所
三浦 岳 九州大学

 

参加者数 数学・数理科学:9、 諸科学:0、 産業界:0、 その他:0
当日の論点

 

最初に,今回から新たに議論に加わる鹿島さんが自己紹介を兼ねて研究紹介をした(他のメンバーは前回の会合で発表).

次に,前回の会合及び,事前にメールで議論した内容に基づいて,議論を行った.特に次を論点とした;

(1)生命の数理的研究に関する話題の整理

 ・これまでの研究で,特に重要と思われる課題の選定

 ・今後研究の発展が見込まれる”オープンプロブレム”の炙り出し

(2)提言書のまとめ方について

 

会合前に,重要な話題や研究について,その生物学的分類,数理的手法,目的,達成できたことや困難が,たたき台として,リストにまとめられていた.本会合では,このリストに基づいて,欠けている話題、研究テーマなどを,再考するとともに,提言書をまとめるにあたっての絞り込み,及び,今後研究発展が見込まれるオープンプロブレムの選定に特に時間を割いた.

 

 

研究の現状と課題(既にできていること、できていないことの切り分け)

 

提言書は次の3章で構成された:

1.始めに

2.生命科学の礎となる数学

3.重要な未解決問題(オープンプロブレム)

 

「1.始めに」では,最初に,次のように書いている.

本提言の目的は,数学が生命科学の様々な分野において既に多岐にわたって利用され, 分野の基礎となっている現実を紹介すると同時に、これから分野の発展に寄与すると考え られる数学的手法や視点について情報を提供することにある.

 

「2.生命科学の礎となる数学」では,生物学の歴史において様々な形で重要な役割を果たした数理的手法を概観している.古典的なものから近年の流行までを,大きく8項目にまとめてある.

(1) 時間発展ダイナミクス(常微分方程式)

(2) 時空間ダイナミクス(偏微分方程式)

(3) エネルギー、ポテンシャル

(4) 確率モデル

(5) 制御,最適化,ゲーム理論

(6) 情報処理

(7) 統計と機械学習

(8) ネットワークとヒューマンインターフェース

各項目には以下の書式で分野のキーワードを並べ、その下に簡単な解説をつけている.

書式: 大項目 (手法として重要なもの) ・ 中項目 (大項目に分けられる分野や概念) ・小項目 (具体的な研究や方法)

 

「3.重要な未解決問題(オープンプロブレム)」では,今後解決すべき主要な未解決問題や興味深い課題の例をいくつか挙げている.

 

新たに明らかになった課題、今後解決すべきこと

研究テーマによっては,多岐にまたがるようなものもある.こうしたものを提言書でどうまとめていくかが議論された.また,提言書をどのレベルでまとめるかということが,主要な議論の一つになった.高校生でも読めるもの,という案も出たが,最終的には,大学でこの分野を志す学生から研究者までが,この分野の全体像を掴めるようなものにするということでまとまった.

 

今後の展開・フォローアップ

提言書は以下のページに置かれている:

http://coop-math.ism.ac.jp/info/coop-math-life