自然言語処理においては最適化が有効に働く研究課題として,自然言語解析と自然言語生成 の二つが紹介された.この中で最適化モデルとしてNP困難な最適化問題である, 最大被覆問 題や施設配置問題,ナップサック問題,巡回セールスパーソン問題を利用していた.これら は主に整数計画問題に対するソフトウェアを適用することになるが,最適化モデル(目的関 数や制約式)の妥当性や最適化の視点によるアルゴリズム・ソフトウェアの選択・利用において 議論の余地があり効率的な計算の実現のためには今後十分に議論がなされるべである.また,自 然言語処理で利用されるデータは事前に前処理を施すことで最適化計算において妥当なデー タ数・規模になり, 必ずしも最適化が難しくなるわけではないことが紹介された.これにより, 複数の最適化モデルの設計して前処理済みのデータを適用することで, 自然言語処理において 適切な最適化モデルの選択が可能になる.今後このような視点による研究も期待できる. |