数学・数理科学と共に拓く豊かな未来 数学・数理科学と諸科学・産業の恊働による研究を促進するための「議論の場」を提供
項目 内容
研究集会等の名称 講演会「科学における発見、数学における発見」及び生物模倣ロボット展示
採択番号 2014C03
該当する重点テーマ ビッグデータ、複雑な現象やシステム等の構造の解明 、疎構造データからの大域構造の推論 、過去の経験的事実、人間の行動等の定式化 、計測・予測・可視化の数理 、最適化と制御の数理
キーワード 科学的発見 、数学的発見 、異文化交流 、生物模倣型ロボット 、数理科学の普及
主催機関
  • 数学協働プログラム
  • 独立行政法人科学技術振興機構科学コミュニケーションセンター
  • 文部科学省
運営責任者
  • 丸山 直昌
開催日時 2014/11/09 10:00 ~ 2014/11/09 17:00
開催場所 講演会:東京国際交流館 3階メディアホール
生物ロボット展示:日本科学未来館1階企画展示ゾーン
(いずれもJSTのサイエンスアゴラ2014への参加企画として実施)
最終プログラム

 東京国際交流館 3階メディアホール

2014年11月9日 10:00 ~ 12:00

総合司会 砂田利一(明治大学総合数理学部長)

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講演1. 水の中に見つかったミクロなネットワークの意外な役割
赤木和人(東北大学WPI-AIMR)                   聞き手: 寺本紫織(フリーランスディレクター)

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講演2. アリの性比はなぜ3:1なのか? - 生物の進化理論と数学
若野友一郎(明治大学総合数理学部)         聞き手: 横山広美(東京大学理学部)

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講演3. 望遠鏡で迫る宇宙の果て - 古代天体ヒミコの発見を導いた数学
大内正己(東京宇宙線研究所)                     聞き手: 江田慧子(信州大学山岳科学研究所)

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パネルディスカッション - 数理を中心に据えた科学の異文化交流

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 ロボット展示 - 『創って動かす』生物研究
日本科学未来館1階企画展示ゾーン
2014年11月9日 10:00 ~ 17:00
(東北大学 石黒章夫研究室、広島大学 小林亮研究室の協力による)
ヘビ型ロボット
四脚歩行ロボット
クモヒトデ型ロボット
ヒラムシ型遊泳ロボット

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四脚歩行ロボット(東北大学石黒章夫研究室提供)はリスーピア賞を受賞した

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2014年12月24日に行われたリスーピア賞授賞式

 

 

参加者数 数学・数理科学:7、 諸科学:5、 産業界:5、 その他:60
当日の論点

自然は数学という言葉で書かれている。

数学はどのような形で諸科学に役立つのか。

以下、講演会聴衆からのアンケートから抜粋

  • 中学・高校生が聞くととても刺激になる内容。しかし受講者に中高生が少なかったのは残念。
  • 「科学」と「数学」が区別される存在としてパネルディスカッションが進んでいたのが意外だった。
  • 数学の説明というより、新しい科学の発見の紹介が中心となっていて興味深かった。
  • 普遍化する考え方が面白い。
  • 積極的、目立ちたがりの数学者が増えてくれると世の中がオモシロクなりそうです。
  • 生徒から「数学って何の役に立つか?」という質問をよくされるが、その質問の答えになるような興味深い話を聞けてとてもよかった。
  • 研究者の方のお話を直接聴けるのも貴重でした。
  • とてもおもしろかったです。中学生の中にも、この程度の話をおもしろがる子どもたちがいます。伝えてやりたいと思いました。
研究の現状と課題(既にできていること、できていないことの切り分け)

数学と諸科学の連携は実際には数多くあるが、そのことが必ずしも一般大衆には理解されておらず、そのために中学・高校生など、若い人達の数学に対する向き合い方が不十分である現状を、このような一般向け講演会で打破してゆくことが、今後重要であろう。聴衆からのアンケートでも「中学生に聞かせたかった」というような意見も出ており、講演会の企画意図は十分に伝わったと思う。ただし、時期的に十分な数の聴衆を集めることが難しかったことは、残念であった。

ロボットの展示は好評で、制御が「数式」に基づいていることが、ある程度理解されたようである。そのことはリスーピア賞の受賞理由に述べられている。

講演会、展示ともに、数理科学の普及啓発という意味で成功であったと考えている。 今後、このような方向性を更に一般の人達に浸透させて行くことが、数学・数理科学が諸科学・産業界に有効に活かされて行くうえで重要であろう。

なお、展示ブースの訪問者数は数えることができなかったが、少なくとも数百人であったと思われる。

新たに明らかになった課題、今後解決すべきこと

サイエンスアゴラの開催時期が学生・生徒の学業学期の丁度中間期にあたり、集客という意味では、かなり難しいことが判明した。そのため若い年齢層の聴衆を狙ったにもかかわらず、高い年齢層の聴衆が多かった。

今後の展開・フォローアップ

多種多様な科学分野の相互交流や、若手研究者・学生の数理科学研究手法の理解促進や探求へ結びつくことが期待され、またそのような企画を今後行いたい。 

中高生の数学・数理科学への関心が高まる事が期待され、将来数理科学の発展を担う人材がその中から出ることが望まれる。