資料を用いた解説と討論により,次のことを確認することができた.
1.関数解析の枠組みで形状最適化理論が整理できそうである.しかしながら,説明が正確でない部分や境界条件の与え方に対して解の存在が示されていない問題も含まれていたことが明らかになった.
2.FreeFem++ により形状最適化理論に基づく数理プログラミングが可能になることが示された.その成果は,フランスの研究者らによって公開されているプログラムよりも優れた性能を発揮した.その違いは,特異点も許容する形状微分の評価方法が採用されたことによる.
3.実設計で遭遇する諸制約も評価関数を工夫することで形状最適化理論の枠組みに落とし込めることが示された.今後は,非線形問題に適用できるようなプログラム構築などについて検討が必要であることが確認された. |