数学・数理科学と共に拓く豊かな未来 数学・数理科学と諸科学・産業の恊働による研究を促進するための「議論の場」を提供
項目 内容
研究集会等の名称 ワークショップ:形状最適化の数理と製品設計への応用
該当する重点テーマ 最適化と制御の数理
キーワード 関数解析 、変分法 、偏微分方程式 、境界値問題 、数値解析 、最適設計 、形状最適化
主催機関
  • 日本応用数理学会 数理設計研究部会 及び 連続体の数理研究部会
運営責任者
  • 畔上 秀幸
  • 大塚 厚二
開催日時 2013/03/26 13:30 ~ 2013/03/29 12:00
開催場所 名古屋大学 全学教育棟 (中棟) 4階 SIS3 講義室
最終プログラム http://www.az.cs.is.nagoya-u.ac.jp/jsiam/2013_spring_workshop.html

講師
畔上秀幸 (名古屋大学)
大塚厚二 (広島国際学院大学)
竹内謙善 (くいんと)
伊東裕也 (電気通信大学)
高石 武史 (広島国際学院大学)
海津 聰 (日本大学)
村井大介 (豊田中央研究所)

2013年3月26日(火)
13:30 – 15:00 最適設計問題の数理
15:30 – 17:00 最適化理論

2013年3月27日(水)
10:30 – 12:00 変分問題と関数解析
13:30 – 15:00 偏微分方程式の境界値問題と数値解析の数理
15:30 – 17:00 抽象的最適化問題と密度型位相最適化問題の数理

2013年3月28日(木)
10:30 – 12:00 境界移動型形状最適化問題の数理
13:30 – 15:00 数理プログラミング
15:30 – 17:00 形状最適化問題のための数理プログラミング

2013年3月29日(金)
10:30 – 12:00 形状最適化理論の製品設計への応用
参加者(総数、内訳) 総数 45名(内訳 企業 32名,大学等 9名,学生 4名)
当日の論点

ワークショップの冒頭において,本ワークショップのねらいが次の2つであることが確認された.

1. 日本応用数理学会の数理設計研究部会と連続体力学の数理研究部会で研究されてきた形状最適化理論を,数学者や産業界の研究者および技術者の前で披露し,討論をとおしてブラッシュアップする(形状最適化の数理を確立する).

2. 形状最適化の数理を産業界の諸問題に応用するためには,何が必要かを討論をとおしてみつけだす.

研究の現状と課題(既にできていること、できていないことの切り分け)

資料を用いた解説と討論により,次のことを確認することができた.

1.関数解析の枠組みで形状最適化理論が整理できそうである.しかしながら,説明が正確でない部分や境界条件の与え方に対して解の存在が示されていない問題も含まれていたことが明らかになった.

2.FreeFem++ により形状最適化理論に基づく数理プログラミングが可能になることが示された.その成果は,フランスの研究者らによって公開されているプログラムよりも優れた性能を発揮した.その違いは,特異点も許容する形状微分の評価方法が採用されたことによる.

3.実設計で遭遇する諸制約も評価関数を工夫することで形状最適化理論の枠組みに落とし込めることが示された.今後は,非線形問題に適用できるようなプログラム構築などについて検討が必要であることが確認された.

新たに明らかになった課題、今後解決すべきこと

形状最適化理論の基本的な枠組みは示されたが,産業界で問題になっている個別の課題に対して,どのように問題を構成すればよいのか,あるいはどのようにプログラムを構成するのかについては今後の課題として残されている.

今後の展開・フォローアップ

今回は,形状最適化理論に興味をもってもらうことが主な目的であった.今後は,このような取り組みを続けることで形状最適化理論の理解者を増やすことと,産業界への応用をテーマにしたワークショップを新たに立ち上げることを検討していきたい.