数学・数理科学と共に拓く豊かな未来 数学・数理科学と諸科学・産業の恊働による研究を促進するための「議論の場」を提供
項目 内容
研究集会等の名称 拡がっていく最適化
該当する重点テーマ 最適化と制御の数理
キーワード 最適化
主催機関
  • 九州大学 マス・フォア・インダストリ研究所
運営責任者
  • 脇 隼人
  • 神山 直之
  • 白井 朋之
開催日時 2013/02/18 00:00 ~ 2013/02/19 00:00
開催場所 九州大学 伊都キャンパス 数理科学研究教育棟 3F 大講義室1
最終プログラム 2013-02-18 (1日目)
13:25 ~ 13:30 主催者挨拶
13:30 ~ 14:20 鈴木大慈(東京大学) 正則化学習法における最適化手法
14:40 ~ 15:30 前原貴憲(国立情報学研究所) 行列の数値的同時ブロック対角化アルゴリズム
16:00 ~ 16:50 吉良知文(秋田県立大学) 災害時のライフライン早期復旧と最適化
17:10 ~ 18:00 藤原洋志(豊橋技術科学大学) スキーレンタル問題とオンライン最適化
18:30 ~ 懇親会

2013-02-19 (2日目)
10:00 ~ 10:50 高松瑞代(中央大学) 回路シミュレーションにおける微分代数方程式の最適モデリング
11:10 ~ 12:00 松川恭明(筑波大学) 非負半正定値錐上の最適化問題とその周辺
12:00 ~ 13:30 昼食
13:30 ~ 14:20 大輪拓也(国立情報学研究所) インターネット広告における最適化問題とその周辺
14:40 ~ 15:30 山内由紀子 (九州大学) ビザンチン故障と分散制御
16:00 ~ 17:00 (九州大学 統計科学セミナーとの共催) 鈴木大慈(東京大学) マルチプルカーネル学習およびスパース加法モデルの統計的性質
17:00 ~ 19:00 統計科学セミナー参加者も交えたフリーディスカッション
参加者(総数、内訳) 44名
当日の論点

機械学習, 計算機科学, スケジューリング, インターネット広告, 分散制御における最適化や制御とその数理の理解し, それぞれの分野の課題が最適化や制御によってどのように解決できるか, ということを議論した.

研究の現状と課題(既にできていること、できていないことの切り分け)

本ワークショップで取り上げた分野の問題を解決するために, 最適化・制御手法が提案・開発されて解決されてはいるものの, 理論的な議論で終わっているものも少なくない. こういった最適化や制御の数学ソフトウェアとしての開発・公開が大きな課題の一つである. 

数理モデル化と現実のギャップが埋められていないケースもあり, そのギャップをどのように埋めるかということが今後の課題である.

新たに明らかになった課題、今後解決すべきこと

機械学習やインターネット広告などでは, 最適化の前にどのように大量のデータを収集・利用するかということも課題である. 解決策として, 統計や確率的手法と最適化手法や制御を組み合わせることが考えられる.

時間で状態が変化する分散システム, 例えばコンピュータウィルスの伝播している分散システムでは, 単純な数理モデルで解析が行われているが, より現実にあった数理モデルを扱う必要がある.

理論的に優れているアルゴリズムが開発されていても, 数学ソフトウェアとして開発・公開されていない場合がある. できるだけ, 数学ソフトウェアとして開発・公開できるような土壌を作り出すことが大きな課題の一つである.

今後の展開・フォローアップ

最適化や制御が様々な分野において重要な手法の一つであることは揺るがない事実である. より利用しやすくするために数学ソフトウェアとして開発・公開することが望まれる.

最適化理論のさらなる発展も必要である. このワークショップでは, 近接点法, 内点法, 局所探索, マトロイド理論, 分散制御などの最適化理論・手法が多く紹介され様々な分野の問題が解決されていた. 残されている個々の問題を解決するには, 最適化理論の新展開が必要不可欠である.