数学・数理科学と共に拓く豊かな未来 数学・数理科学と諸科学・産業の恊働による研究を促進するための「議論の場」を提供
項目 内容
採択番号 2016W04
タイトル 統計科学の新展開と産業界・社会への応用
キーワード 欠測データ 、バイオメディカルビッグデータ 、スポーツアナリティクス 、ヒトゲノムデータ 、グラフ列挙法
開催時期 2016/09/05 ~ 2016/09/06
開催場所 金沢大学角間キャンパス
趣旨・目的 (1)「欠測データの解析:基礎理論と実践的な方法論の発展」
欠測データの適切な取り扱いが様々な科学コミュニティにおいて重視されるようになったことをふまえ、本邦における関連研究テーマの理論・応用に関する最先端の研究成果を有する研究者が、近年の研究の動向と基礎理論・方法論の解説を行うことで、広く有用な知見を共有することを狙いとする。
(2)「超高速グラフ列挙法と統計学への応用」
現在、与えられたグラフから特定の条件を満たす部分グラフを、ZDDと呼ばれるデータ構造を用いて非常に高速に列挙し、数え上げや最適化に活用するアルゴリズムが開発されている。このアルゴリズムを用いることにより、従来、計算量の制限から導出が不可能であった規模における、空間データ解析、最適配置問題などに関する新展開を目指す。
(3)「スポーツアナリティクスの広がり」
スポーツ分野におけるビッグデータ収集・活用の現状と課題について議論し、スポーツ統計学研究の発展を目指す。
(4)「ライフイノベーションを推進するバイオメディカルビッグデータ解析の新潮流」
次世代シークエンサー等の革新的計測技術の登場により、現在、生命科学の分野では未曽有のスケールのバイオメディカルデータが生み出され続けれ、統計科学の重要性は益々高まっている。その一方で、日本国内では当該分野のデータサイエンスを牽引する人材の不足が深刻化している。本セッションでは、国内で統計科学、機械学習、計算科学を武器に生命科学分野を切り開いている研究者が当該分野の魅力を紹介し、若手研究者の新規参入へのきっかけを提供する。
(5)「ヒトゲノムデータの遺伝統計解析」
21世紀に入りヒトゲノムが解読されて以来、DNAシークエンス技術の発展により主に疾患を対象としたヒトゲノムの解読が進んでいるが、その結果の解釈と社会・医療への応用には遺伝統計学を基盤とする統計解析が必要である。日本も早期から多くのデータを出してこの分野の世界的な知の創生に貢献しているものの、新しい遺伝統計解析の開発や理論的発展への貢献は残念ながら非常に少ない。日本のヒトゲノム研究の裾野が小さくて、数理統計学者・計算機科学者などとの横のつながりが小さいことが一つの理由として挙げられると考えている。また、そう言った専門家への働きかけも少なかったように思われる。そこで、より幅広い学際的な研究を行っていくようになるための、まずは自己紹介の場としてこのセッションを企画した。
プログラム

第1日(9月5日、月曜日)
(1) 欠測データの解析:基礎理論と実践的な方法論の発展

1. 星野 崇宏(慶應義塾大学)
「諸分野での欠測データ解析の動向と研究テーマの潮流のレビュー」
2. 野間 久史(統計数理研究所)
「多重代入法におけるロバストな推測方法」
3. 逸見 昌之(統計数理研究所)
「重み付き推定方程式と二重ロバスト推定法」
4. 五所 正彦(筑波大学)
「臨床試験における欠測データの解析,MMRM とその最新の研究」

(2) 超高速グラフ列挙法と統計学への応用

1. 水田 正弘(北海道大学) 
「本セッションのねらい」
2. 湊 真一(北海道大学)
「アルゴリズムの概要」
3. 川原 純(奈良先端科学技術大学院大学) 
「一票の格差が小さな選挙区割の列挙」
4. 栗原 考次(岡山大学)・石岡 文生(岡山大学) 
「空間データにおけるHot spotの検出法について」

第2日(9月6日、火曜日)
(3) スポーツアナリティクスの広がり

1. 加藤 欽志(福島県立医科大学)
「野球選手における脊椎・体幹部障害のマネジメント - 競技復帰時期予測の苦労 -」
2. 大川 恭平(データスタジアム株式会社)・宮﨑 誠也(東京工業大学)・金沢 慧・上原 早霧(データスタジアム株式会社)
「成績・試合情報をもとに先発投手を予想する方法」
3. 永田 大貴・南 美穂子(慶応義塾大学)
「野球トラッキングデータにおける、球種の判別と定量化」
4. 松岡 弘樹・猶本 光・見汐 翔太・田原 康寛・安藤 梢・西嶋 尚彦(筑波大学)
「トラッキングデータを用いたサッカー守備戦術技能の計量」
5. 酒折 文武(中央大学)
「サッカートラッキングデータに関する統計的モデリング」

(4) ライフイノベーションを推進するバイオメディカルビッグデータ解析の新潮流

1. 島村 徹平(名古屋大学)
「疾患の俯瞰的理解のための遺伝子ネットワーク解析法」
2. 白石 友一(東京大学)
「大規模がんゲノム変異データマイニングのための統計学的手法」
3. 新井田 厚司(東京大学)
「がんの進化のシミュレーション」
4. 瀬々 潤(産業技術総合研究所)
「バイオメディカル解析で必要とされる大規模多重検定補正法」
5. 茅野 光範(帯広畜産大学)
「共発現解析による疾患関連遺伝子の絞り込み」

(5) ヒトゲノムデータの遺伝統計解析

1. 岡田 随象(大阪大学)
「全ゲノム統計解析を通じた創薬手法の開発」
2. 竹内 史比古 (国立国際医療研究センター)
「複数人種集団を用いた高血圧症の全ゲノム解析」
3. 八谷 剛史(岩手医科大学)
「全ゲノムSNPデータを用いた疾患発症予測モデルの検討」
4. 藤本 明洋(京都大学)
「肝臓癌ゲノムの包括的解析」
5. 熊坂 夏彦(サンガー研究所、イギリス)
「細胞種特異的な量的遺伝子座を探索する新しい統計解析手法」

参加制限の有無 無し
参加資格
参加申込の要不要 不要
申込方法
参加費の有無 無し
参加費の詳細
運営責任者
  • 星野 伸明
問合せ先
情報更新日 2016/06/23