リスク解析戦略研究センター
時空間データ解析プロジェクト
  主な研究テーマ
● 時空間統計モデルの高度化・高速化
● 新型コロナウィルス感染症の状況解析
● 熱波状況の時空間予測
● 都市成長・衰退の将来予測
● 時空間解析のためのソフトウェアの開発

■ 時空間統計モデルの開発

都内で推定された自転車盗難の繰り返されやすさ

都内で推定された自転車盗難の繰り返されやすさ

地理的現象とその時間変化を解析するための時空間統計モデルを 開発しています。例えば、犯罪発生や環境汚染などの誘因を場所毎 に推定する空間可変パラメータモデルの開発と高速化を進めてきま した。右図は、東京都内を対象に、自転車盗難の繰り返されやすさ を同モデルで推定した結果でして、郊外で反復傾向が強く、その傾 向は特定の鉄道路線に沿いで強まる傾向などが確認されした。 開発した手法の一部は、フリーの統計ソフトウェアRのパッケージとして公開するとともに、書籍 「Rで学ぶ地理空間データの統計解析」を出版することで関連分野の発展に寄与しています。

■ 新型コロナウィルス感染症への対応に向けた研究

陽性者数(黒線)と絵文字毎のtweet の時間変化 陽性者数(黒線)と絵文字毎のtweet の時間変化(上: Anomalous score、下: tweet 数)


新型コロナウィルスの感染拡大要因を明らかとすることは、今般な らびに今後のパンデミックに備える上での重要な課題となっており ます。そこで2020 年より「新型コロナウィルス対応プロジェクト」を 立ち上げて、国、都道府県、市区町村といった各スケールを対象に、 感染拡大状況のモニタリングや予測、ホットスポット抽出などの解 析を進めてきました。例えば絵文字毎のtweet数の時間変化パター ンを元にした陽性者数の予測は解析の一例です。また、公 開シンポジウムの開催などを通して情報発信を進めてきました。

■ 環境問題に着目した時空間解析

関東地方における地表面温度の
平均、分散、歪度、尖度の推定結果 関東地方における地表面温度の平均、分散、歪度、尖度の推定結果(2013 年8月)


少子高齢化や気候変動の激化が見込まれる昨今、地球環境問題への対応が喫緊の 課題となっております。そこで、将来に備えるべく、災害リスクの影響評価に関する 研究に、統計的機械学習研究センター都市インテリジェンスプロジェクトと共同研究 で取り組んできました。例えば、異常気象などの極端現象を扱う上で重要となる歪 度や尖度を明示的にモデル化することのできるTukey g-and-h random processに 空間過程を導入することで、熱波など の異常気象を柔軟に捉えるためモデ ルの開発を行いました。

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