リスク解析戦略研究センター
データ中心リスク科学基盤整備プロジェクト
  主な研究テーマ
● 公的統計匿名化事業とオンサイト拠点形成
● レセプト・サンプリングデータ等のセキュリティ管理
● 集計表セルの秘匿処理技術の開発
● 統計・データの質マネジメントに関する研究
● リスク情報・システム科学の基本理念の形成を通じたNOE活動の活性化

■ 公的統計匿名化事業への協力とオンサイト分析拠点形成

オンサイト解析室オンサイト解析室


平成 22 年に締結した(独)統計センターと情報・システム研究機構との連携協定を基に、公的統計の匿名化データの研究者への提供事業を行うと共に、公的統計個票データの利用の加速を可能とする情報セキュリティ環境を有するオンサイト利用施設の整備を進めています。平成 29 年度には、新たにリモートアクセスを利用するオンサイト利用施設を設置しました。ここでは、アジア9カ国の家計調査データを収録した「国際ミクロ統計データベース」を利用した分析なども可能です。種々の公募型共同研究で活用いただければ幸いです。

■高機能暗号と統計開示抑制(SDC)の融合技術の体系化と実践的なプライバシー保護の指針の策定

高機能暗号とSDC技術のシームレスな連携高機能暗号とSDC技術のシームレスな連携

現在、企業や行政機関が蓄積する個人・組織に関するミクロデータの利活用が期待されています。しかし、ミクロデータを基に集計した統計量などの分析結果のみを公開する場合であっても、元データの機密情報が漏洩するリスクがあるため、統計的開示抑制(SDC)技術による秘匿処理が必要となります。 本研究では、入力データを暗号化したまま計算可能とする高機能暗号技術とSDC技術を連携させた融合技術を体系化し、データ流通のライフサイクル全体にわたる保護を実現します。 あわせて、実社会においてデータ流通時のプライバシー保護を実践するための指針を提供します。

科学技術振興機構 経済安全保障重要技術育成プログラム(K Program)
SDC4Societyのウェブサイトへ(https://www.sdc4society.org)

■リスク情報・システム科学の基本理念形成

リスク情報の設計学
リスク情報の循環と定量的リスク科学の構築

リスク研究ネットワーク(NOE)加盟組織と共に、新たな学術として、定量的リスク科学、リスク情報・システム科学といった多様なリスク研究領域を横断する統計数理科学的方法、リスク情報循環の方法、リスク対応の方法論などの基本理念の議論を進めています。この中でリスク概念の整理(個別リスク・統合リスク・潜在リスク・数理リスク)、リスク科学を支えるべき学術領域の整理(リスク表出学、リスク発見学、リスク構造分析学、リスク対応学、クライシス対応学)が少しずつ進んでいます。

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