2016年 公開講演会

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過去の公開講演会の概要
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例年、教育・文化週間(11月1日~7日)関連行事の一つとして公開講演会を開催しております。 この講演会では、一般の方を対象に、統計数理に関連したテーマをわかりやすくお話しします。

明日の天気・将来の天気

シミュレーションと統計数理

日時: 2016年11月1日(火) 午後1:30~4:30
開場: 午後1:00
場所:

統計数理研究所 大会議室
会場への交通アクセス

登録不要・参加費無料
 * 会場の収容人数(約160名)を越えた場合は、入場を制限させていただきます。

講演プログラム

高薮 出 (気象庁気象研究所)

地域的な気候の変化をどう表すのか?


 気候変動予測の際にまず使われるのは、全球モデルといって地球全体を升目に区切って計算する力学的モデルの結果です。現在の計算機の能力ではまだなかなか升目を細かく区切った計算を行うことはできません。そのため、地域ごとに一体どういうことが起こるのかをしらべるためにはいくつかの工夫が必要になります。ここでは、そのうち2つの鍵となる技術を紹介します。一つはダウンスケーリングという手法です。これは日本付近のみを細かい升目のモデルを使って計算するものです。また、アンサンブル予測という手法についても紹介します。これはまれにしか起こらない気象現象を統計的に取り扱うことができるようにする手法です。これらの技術を使う事で地域的な気候変化を表すことができるようになりました。

講演スライド(pdf)
伊藤 耕介 (琉球大学理学部)

なぜ天気予報は当たるのか?そして、なぜ天気予報は外れるのか?


 天気予報は我々の日々の生活や防災上、大変役に立つ存在です。天気予報は、大気の状態を物理法則に基づいて予測する数値シミュレーションモデルによって実現されています。しかし、数値シミュレーションモデル自身は現実の大気の状態を知っているわけではありません。そこで、世界中から集められた観測データをもとに、統計的・物理的な根拠に基づいて、大気の状態を推定するデータ同化という作業が行われています。
 天気予報といえば、ほんの20-30年ほど前は、「当たらないもの」の代名詞のように扱われていました。しかし、近年では、数値計算能力、観測技術、データ同化理論の発展により、どんどん、予測精度が高まってきています。一方で、台風の強度や局地豪雨のように予測がまだまだ難しい対象もあります。本講演では、天気予報の仕組みとその難しさについて幅広くご紹介したいと思います。

講演スライド(pdf)
中野 慎也 (統計数理研究所)

統計数理で気候変動をさぐる


 「気候」というものが日々変化する気象を統計的に見たものだとすると、気候変動は気象の統計的な特性の変動と捉えることができます。気候変動の例として広く知られているのは、平均気温の変動で、10万年くらいの周期の変動から、近年の地球温暖化と呼ばれる平均気温の上昇まで、様々なものがあると考えられています。それ以外にも、気候は様々な形で変化していると考えられます。本講演では、そうした気候変動の中でも主として台風の振る舞いに見られる過去数十年程度の気候変動について考えます。統計的に見た台風の特性は変化しているのか、典型的な台風というのは昔も今も変わらないのか、といった疑問に対する我々の取り組みについて紹介したいと思います。

講演スライド(pdf)

オーガナイザー:上野 玄太 (統計数理研究所)   

  

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