[ 2009716 公表 ]

3. 職場の人間関係を見直す動き

 1980年代以降、職場での希薄な人間関係を好む方向への変化が緩やかに続いてきたが、若年層を中心として、この10年間で、職場での人間関係を見直す動きが見られはじめている。
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図5 上役とのつきあいが“あったほうがよい”という回答の年齢別の推移

 例えば仕事以外で上役とのつき合い(#5.6*)が“あった方がよい”とする人は、全ての年齢層で見て、1973年の72%から1998年の55%へと減少したが、今回2008年では58%と微増している。この"あった方がよい”とする割合は、特に20歳代は50%(1998年)から65%(2008年)へ、30歳代は45%(1998年)から63%へと大幅に増えており、1973年(それぞれ73%と69%)の水準に迫る勢いである(図5)。
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図6 “めんどうをみない課長がよい”という回答の年齢別の推移

 また“規則をまげてまで、無理な仕事をさせることはないが、仕事以外のことでは人のめんどうを見ない” 課長がよい(#5.6)という、濃密な人間関係を避ける方向の回答は、1983年から2003年の20年間は全体では上昇基調で、特に若年層でその傾向が強かったが、今回、2003年の18%から3ポイント下がった15%となった。若年層ではここ10年間は上げ止まったか、むしろ減退気味である(図6)。これは逆のタイプの“時には規則をまげて無理な仕事もさせるが、仕事以外のことでもめんどうみのよい”タイプの課長 (国民性調査では「人情課長」と呼んでいる)の人気が回復してきたというということでもあり、若年層の動きが一つの要因となって全体でも人情課長の人気は5年前から若干の回復が見られる。
 さらに“給料はいくらか少ないが、運動会や旅行などをして、家族的な雰囲気のある会社”につとめたい(#5.6b)とする20歳代は、1973年の76%から2003年の35%へと半減したが、今回の2008年は45%へ10ポイント増えている。