[ 2009716 公表 ]

5. 選挙を通じた意思表明への志向

 政治意識には、非常に長期にわたる変化、この20年ほどの変化の他に、この5年間での変化が指摘できそうである。特にこの5年では、主に選挙を通じて何らかの意思表明をしたいという方向への意識変化が観察される(図9)。
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図9 政治をめぐる意識の変化

 政党支持に関する質問で“支持政党なし”(#8.7h, #8.7i, #8.7j)という回答は、1953年の調査開始時には20%程度であったものが長い期間をかけて2003年には6割に達した。無党派層の増大が半世紀にわたるトレンドである点は明白だが、この 5年間に限ると今回は2003年から5ポイント程下がり55%であった。
 すぐれた政治家であっても“政治家にまかせきりはよくない”(#8.1b)と考える人は1988年と1993年の間で比較的大きな増加を示し、その後は同水準を維持している。
 更に「社会に不満があるときにどうするか」という問(#8.9)で、“何もしない”という回答は1988年の46%から1993年の34%に急減したあとも着実に減って28%となる一方、“選挙で考慮する”という回答が42%から支持を伸ばして半数を超える55%と、過去最高を記録している。
 衆議院の総選挙で“何をおいても投票する”(#8.6)という回答も、過去2回の低下傾向から持ち直し、今回は40%と5年前よりも5ポイント高くなっている。