医療健康データ科学Webセミナー

医療健康データ科学Webセミナー

医療健康データ科学における最新の理論・方法論について、国内外の第一線で活躍する研究者によるオンラインセミナーを実施します。また、本セミナーの内容は、ビデオ教材として、センターのe-learningシステムに順次収録される予定です。

2024年度開催要項

※申込の際は下記注意事項をお読みいただき申込みください。

注意事項

講演はすべてオンライン(ZOOMウェビナー)開催となります。
各講演毎の申込が必要です。
本講演の申込受付は、Peatix Japan(株)のシステム上で行います。各日下記リンクをクリックすると同社のサイトに移動します。お申込にはPeatix Japan(株)のシステムにアカウントの登録が必要です。
定員に達し次第、お申し込みを締め切らせていただきます。
取得した情報は、当該講演への登録及び受講に関する連絡や、企業や個人を特定できない形で弊所講座・教材等の企画立案等のために利用することがあります。Peatix Japan(株)のシステムにアカウントを作成する際に入力する情報については同社のポリシーに従うものとします。

第1回~第6回までは、こちら(2022年度)です。
第7回~第15回までは、こちら(2023年度)です。

   
No コース 日時講演者 タイトル お申込み
16 生存時間解析 2024年8月1日(木)
15:00~16:30
中溝 知樹
(放射線影響研究所)
Frailtyと競合リスクによる左側切断が作り出す 逆説的なリスク因子—心房細動における「性差のパラドックス」を例として
(講演詳細)
開催済
17 機械学習 2024年9月27日(金)
15:00~16:30
松井 孝太
(名古屋大学大学院医学系研究科)
統計的機械学習への招待と医療健康科学領域への適用
(講演詳細)
開催済
18 機械学習 2024年10月22日(火)
15:00~16:30
松井 孝太
(名古屋大学大学院医学系研究科)
教師あり学習の基礎と実践
(講演詳細)
申込み受付は
10月4日(金)12:00頃から
申込はこちら から
定員480名予定

講演の詳細

第16回 Frailtyと競合リスクによる左側切断が作り出す 逆説的なリスク因子—心房細動における「性差のパラドックス」を例として

  • 講演者:中溝 知樹(放射線影響研究所)
  • オーガナイザー/座長:杉本 知之(大阪大学)
  • 日時 :開催済 2024年8月1日(木)15:00~16:30

概要 :生存時間解析において、Cox比例ハザードモデルは数学的な利便性から広く用いられます。しかし、このモデルは打ち切りや左側切断がイベントと独立し、個人差(frailty)が存在しないことを仮定しています。これらの仮定が満たされない場合、例えば独立ではない競合リスクを打ち切りとして扱うと、ハザード比推定にバイアスが生じる可能性があります。

本セミナーでは、frailtyと競合リスクによる左側切断が絡み合い、興味深い逆説的現象を生み出すメカニズムを、「心房細動患者において、男性よりも女性の方が脳梗塞リスクが高い」という実例を交えて解説します。Frailty、競合リスク、左側切断が結果に及ぼす影響を理解し、生存時間解析における注意点を見直すきっかけを提供することを目的とします。


参考文献:  
  [1] Nakamizo, T., Misumi, M., Takahashi, T., Kurisu, S., Matsumoto, M. Tsujino, A. (2023). Female “Paradox” in Atrial Fibrillation—Role of Left Truncation Due to Competing Risks. Life, 13(5), 1132.
  [2] Di Serio, C. (1997). The protective impact of a covariate on competing failures with an example from a bone marrow transplantation study. Lifetime data analysis, 3, 99-122.
  [3] Aalen, O., Borgan, O.Gjessing, H. (2008). Unobserved heteroheneity: The odds effects pf frailty. In Aalen, O., Borgan, O.Gjessing, H, Survival and event history analysis: a process point of view (pp.231-270). Springer
  [4] Hernán, M. A. (2010). The hazards of hazard ratios. Epidemiology, 21(1), 13-15.



第17回 統計的機械学習への招待と医療健康科学領域への適用

  • 講演者:松井 孝太(名古屋大学大学院医学系研究科)
  • 日時 :2024年9月27日(金)15:00~16:30

概要 :統計的機械学習はデータの背後に潜むパターンを発見しそれを元に予測や意思決定を行うための方法論である.中でも発展著しい深層学習のアルゴリズムは近年の人工知能技術の中核をなす.

本講演では後のWebセミナーコース全体のイントロダクションとして,統計的機械学習の考え方と,その手順(すなわち,入力データに対する予測結果を出力するまでのプロセス)の実現方法を解説し,健康医療科学領域におけるさまざまな適用事例を紹介する.



第18回 教師あり学習の基礎と実践

  • 講演者:松井 孝太(名古屋大学大学院医学系研究科)
  • 日時 :2024年10月22日(火)15:00~16:30
  • 申込 :申込み受付は10月4(金)12:00頃~
    申込はこちら から
    申込前に必ず注意事項をお読みください。

概要 :教師あり学習は機械学習の最も基本的な問題設定の一つであり,入力と出力の組からなる教師データを用いて,入力に出力を対応させる関数を学習する.

本セミナーでは,入出力関係を学習する基本的なモデル(線形回帰,ロジスティック回帰)を導入するところから出発する.

その後,複数のモデルを組み合わせてモデルの精度を高めるアンサンブル学習(ランダムフォレスト,ブースティング)の原理と効果を説明する.

最後に,データの不確実性を考慮したアプローチであるベイズ機械学習についても解説する.