プロジェクト[2013年度]

リスク科学NOEでは、以下の10研究プロジェクトを形成し、所外の関連機関と連携しながら定量的リスク解析を推進します。

データ中心リスク科学基盤整備プロジェクト

プロジェクトリーダー:椿 広計

我が国を中心として、健康・社会・経済・環境に関わる様々なデータを収集・リンケージし、データ中心リスク科学の形成に資する活動を展開する。このため、個人情報や法人情報の秘匿化作業などに適したデータエディティング環境を共同研究登録者へ提供することを目指すと共に、データの質の評価・保証技法、個人情報や法人情報の秘匿技術などの検討も進める。

リスク基盤数理プロジェクト

プロジェクトリーダー:栗木 哲

自然災害や重篤な疾病・事故など、普段は起こる頻度は少ないものの、一旦発生すると重大な被害をもたらすリスクの要因を定量化するためには、それらの現象を数学的に定式化し、その分布の裾領域の振る舞いに基づいて統計的推論を行う必要がある。本グループでは裾領域を扱う分野である極値理論、コピュラ理論、多重比較などについて、数理的ならびに計算手法の研究を行う。また本年度で18年を数える研究集会「極値理論の工学への応用」の開催を通して国内外研究者との研究交流を図り、リスクNOEとしての役割を果たす。

食品・医薬品リスクプロジェクト

プロジェクトリーダー:逸見 昌之

医薬品の許認可においてリスクとベネフィットをどうバランスさせるか、あるいは食品安全性をどう定量的に評価して開示してゆくべきか等の問題は、国民の高い関心事であると同時に現代社会の抱える喫緊の課題のひとつである。当グループでは、安全性に関するデータベース構築やそれに基づく高度な統計的データ処理を通じて、食品・医薬品など人が直接摂取する物質の健康影響について、計量的技法と適用を研究し、リスク研究の基本枠組みを創設することを目指す。

医療技術の開発と評価のための生物統計学的手法の研究

プロジェクトリーダー:野間 久史

医療技術の有効性と安全性を科学的に評価する上で,統計的な方法論は重要な役割を果たしている。特に近年では、疾患の分子的特性に基づく治療の個別化を目的とした予測医療(predictive medicine)などの新しい領域も現れており,新たな方法論の確立と普及が重要な課題となっている。
本プロジェクトでは、予測医療をはじめとして、医療技術のeffectivenessの多面的な評価、エビデンスの統合の方法など、新たな研究課題に対する方法論の開発と体系化を行う。

プロジェクトWEBページ

自殺とメンタルリスクプロジェクト

プロジェクトリーダー:椿 広計

急増する自殺やその背後にあるメンタルヘルス上の問題をデータを通じて、その現状と問題点を統計的に明らかにする。このため時空間構造や経済・地勢情報などをリンケージした統計データベースを整備し、モデリングを行う。更に、メンタルヘルスに関わる専門家との共同研究や研究集会を通じて、効果的な健康保健政策の提唱につなげることを目指す。

環境情報に対する統計解析手法開発プロジェクト

プロジェクトリーダー:金藤 浩司

地球環境に及ぼす人間活動の負荷は増大している。そこで正確な環境の現状把握と、次なる世代のために有効な対策を施行するために計量的手法の重要性が増している。当プロジェクトでは水・大気・土壌における環境リスク評価、環境モニタリング、環境基準値設定等に関して基盤となる統計的解析手法の研究を行う。
また、環境科学分野との緊密な横断的協調により、地球環境に関する様々な課題に対して計量的な解析・評価手法の提供を目指す。

資源管理リスク分析プロジェクト

プロジェクトリーダー:吉本 敦

国際経済・政策動向の乱れ及び自然災害リスクの発生に伴い、生態系の復元力に基づく再生可能な農林水産関連の生産機能の低下・不安定化が危惧されている。本プロジェクトでは、農林水産資源を一つの資源管理系の対象として捉え、生態系の復元力を備えた循環的な資源管理最適化モデリング及び管理リスク分析を行う。

金融・保険リスクの計量化と戦略的制御

プロジェクトリーダー:山下 智志

金融マーケットへの投資や企業への融資に伴うリスクに対して、リスク量の把握とそのコントロールを正確に行うことが、社会において大きな課題となっている。
本プロジェクトではこの課題に対して、確率論的もしくは統計学的アプローチにより、方法論の構築おこなう。また実データを扱うことにより、モデル作成、システム構築、実証分析を行う。特に実務家から研究ニーズを吸収し、成果を還元することにより、実用的な研究交流を行う。

地震予測解析プロジェクト

プロジェクトリーダー:庄 建倉

統計モデルによる地震活動の計測、異常現象の定量的研究、及び、それらにもとづく地震発生確率予測モデルとその評価法などについて研究する。またリスク関連科学の分野間交流によって、共通する突発事象系列の発生データから予測の基礎となる危険強度の各種モデル化や推論と予測法について汎用化を促進する。また、危険の背後情報との因果関係などのリスクの構造を理解し、危険強度を予測する新モデルを開発することを狙う。

プロジェクトWEBページ

ゲノム解析プロジェクト

プロジェクトリーダー:間野 修平

ゲノム情報が容易に取得されるようになり、統計科学はゲノム科学の要になっている。当グループでは、個別化医療や生物多様性保全など、現代社会が抱える様々な課題を解決するために有用な知見を大量のゲノム情報から抽出するための方法論と、発見された知見を活用して社会に潜在するリスクを定量化するための手法の開発を通じて、ゲノムを基盤としたリスク情報の設計に貢献することを目指す。

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