リスク研究ネットワーク

不確実性が増す現在社会において、リスクに対する安心・安全は国家的な課題となっています。その実現のた めには、科学的根拠に基づくリスクの分析・管理が必要ですが、その基盤を支えるのがリスク科学研究です。 現実にはリスクの問題は多様で、交通・原子力の安全性、金融・経済・保険・年金のリスク、地球環境あるいは 地域環境リスク、地震・台風・津波・火災などの災害、巨大システムや製品の信頼性に関する問題、会社等の 組織の統治あるいはセキュリティに関する問題など、多岐にわたっています。当然のことながら、各分野では既 にこれまで活発な研究が行われてきました。
しかしながら、一方で不確実性に関する計量化・数学的アプローチという側面ではすべての分野に共通する方 法論や技術が存在します。そのため、個別の分野間や、応用分野と基礎分野間の交流が効果的と考えられます。 特に統計科学という共通言語を介した分野横断的な研究交流によって、個別科学に大きなシナジー効果が得ら れるものと期待されます。
この考えに賛同する組織が集まり、リスク研究ネットワークが 平成17年に設立されました。同ネットワークは、リスク解析に 関連する研究機関が、それぞれの問題解決とリスク解析技 術の発展を目的として、自由な立場で交流し、様々なレベルの 連携・協力を行おうとするものです。リスク解析戦略研究セン ターは、同ネットワークの設立と運営に注力してきました。リス ク研究は広範囲の研究領域にわたるものであるため、同ネット ワークは従来のCOE(Center Of Excellence)型の研究機関と は異なり、ネットワーク型の研究機関としてのNOE( Network Of Excellence)構築を目指しています。

協定機関
リスク解析戦略研究センターでは、国内外の大学や研究機関と学術交流の推進をはかるため、国際交流協定 (MOU:Memorandum of Understanding)を締結し、共同研究の実施、セミナー・シンポジウムの開催などの 様々な交流活動を行っています。


