[ 2009716 公表 ]

4. 精神的な充足や心のよりどころの模索

 前節の人間関係重視の持ち直し傾向と平行して、精神的な充足や心のよりどころを求めるかのような動きも出てきた。
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図7 一番大切なもの(#2.7)に対する回答の推移

 「あなたにとって一番大切なもの」(#2.7) は“家族”が46%と最も多く、その割合も過去最高となっている(図7)。同時に“愛情・精神” が2003年から2008年にかけ、70歳代を除く全ての年齢層で増え ている(20歳代は20%から23%、30歳代は13%から17%、40歳代は8%から17%、50歳代は11%から13%、60歳代は14%から18%)。
 また“自分の好きなことかどうかはともかく、人のためになることをしたい”(#2.11)人の割合は、20歳代で43%、30歳代で52%といずれも過去最高の値となっている(図8)。この図で明らかなように、40歳代以下の年齢層では2003年からの5年間で、この回答の伸びが顕著である。
 なお、「あの世」を“信じる”(#3.5)という人は1958年の20%から50年を経て2008年は38%へと倍増しており、特に20歳代では49%と半数近くが“信じる”としている。
 これらの結果は、閉塞した社会状況の中で、人々が新たな精神的充足や心のよりどころを模索していることの現れと言えるかもしれない。
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図8 “人のためになることをしたい”のという回答の年齢別の推移