[ 2009716 公表 ]

2. 「いらいら」した若者の増加

 この閉塞した社会状況を反映するかのように、 “ここ1ヶ月の間に「いらいら」にかかったこと がある”(#2.80c)人の割合は48%と過去 15年間で最高を記録した。この「いらいら」の 回答は各調査回で若年層ほど多くなっており、 特に20歳代(63%)や30歳代(62%)では今回はじめて6割を超えている(図3)。
 より細かく見ると、1993年から1998年にかけての増加は全年齢層で起きたが、2003年から2008年にかけての増加は、40歳代までの年齢層で起きていることも指摘できる。
 年齢以外に、どのような要因が「いらいら」 と関係しているのか、他の項目とのクロス集計により検討することができる(図4)。例えば、仕 事や職場に満足な人が、いらいらに“かかったことあり”と答える割合が33%であるのに対し、不満な人がそう答える割合は倍以上の73%である。同様に図を見て、生活全体に不満を抱え、経済状態についての不安感も強く感じている人ほど、いらいらを回答しがちであることが分かる。
 ここでは3項目を取り上げたが、いらいらは生活のいろいろな面での不安感や不満、社会への不満感と結びついていることも分かっている。またこのような関係は、程度の差こそあれ、どの年齢層でも認められる。
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図3 「いらいら」を回答する若年層の増加

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図4 「いらいら」の回答と関係する要因の例