[ 2009716 公表 ]

第12次調査結果のポイントです。

1. 低迷を続ける「日本経済への評価」

過去20年間の日本人の意識で最も顕著な変化は、1993年から1998年の間に起きた「社会に対する悲観的な見方」の急速な浸透であり、それは日本人の「自信喪失」ともいえる現象であった。

2. 「いらいら」した若者の増加

 この閉塞した社会状況を反映するかのように、 “ここ1ヶ月の間に「いらいら」にかかったこと がある”(#2.80c)人の割合は48%と過去 15年間で最高を記録した。

3. 職場の人間関係を見直す動き

 1980年代以降、職場での希薄な人間関係を好む方向への変化が緩やかに続いてきたが、若年層を中心として、この10年間で、職場での人間関係を見直す動きが見られはじめている。

4. 精神的な充足や心のよりどころの模索

 前節の人間関係重視の持ち直し傾向と平行して、精神的な充足や心のよりどころを求めるかのような動きも出てきた。

5. 選挙を通じた意思表明への志向

 政治意識には、非常に長期にわたる変化、この20年ほどの変化の他に、この5年間での変化が指摘できそうである。特にこの5年では、主に選挙を通じて何らかの意思表明をしたいという方向への意識変化が観察される(図9)。

6. 回復へ向かう「科学技術や芸術への評価」

 先に、日本の経済状況に関する悲観論から脱却できていない旨を述べたが、日本に対する評価が持ち直してきた項目もある。