コラム

ISI-ISM-ISSASに参加して

小山 慎介(モデリング研究系)

 このたび“ISI-ISM-ISSAS Joint Conference 2014”に参加してきました。会議の趣旨は、ISI(インド)、ISM(日本)、ISSAS(台湾)の3つの研究所の研究交流を深めることにあり、毎年各研究所の持ち回りで開催されています。東京、台湾と続き、今年は2月21-22日にインド・デリーで行われました。われらISMからは8人の有志が参加しました。

 これまでの会議に参加したことはなかったのですが、今年の開催国であるインドに興味があって参加することにしました。自分は旅が好きな方でこれまでにいろいろな国を訪れましたが、なぜかバックパッカーの聖地ともいえるインドには行ったことがありませんでした。そういうわけで(旅が目的ではありまぜんが)すごく楽しみにしていました、というのは自分くらいで他の人たちは食べ物や水でお腹を壊すのではないかと行く前からかなり心配していたようでした。

 会議はインドの首都デリーにあるISIのキャンパスで行われました。建物の入口を入って正面には偉大な統計学者でISIの設立者でもあるMahalanobis教授とRao教授(だと思う)の写真が飾られていて、コンクリート作りの無機質な建物のなかにも威厳さを感じさせる雰囲気でした。会議は非常によく組織されていて、講演の内容も基礎理論から応用まで幅広くあり、自分にとって面白かったものもいくつかありました。概してISMとISSASは理論と応用、ISIは数学寄りな印象を受けました。主催側であるISIの方々の手厚いもてなしもあり毎日つづくカレーもあり、頭もお腹も満足いっぱいになりました。

 最後にインドについてですが、まず車の運転の荒さに驚きました。歩行者のために車を止めるようなことはしてくれず、クラクションを鳴らして「お前がどけ!」くらいの勢いで突進してくるようでした。デリー空港に着いて早々参加者のSくんが車にひかれそうになり、いきなりインドの洗礼を受けました。かすんだ空、溢れるばかりの車とバイク、でこぼこな道、両脇に所狭しと並んだ商店街、むき出しの電線、たくさんの人でごった返した路地…空港からホテルまでの道のりをタクシーから眺めた光景にはシュールな感じさえ覚えました。このカオスがインドの魅力なんですね。一方でエクスカーションで訪れたタージマハールの完ぺきな対称性と高さが70メートルにもおよぶクトゥブ・ミナールからは古来インドの精神性と技術の高さを垣間見ることができました。インドは実に奥が深いと思いました。今度はもっとじっくりと旅してまわりたいところです。

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