第9回 統計的機械学習セミナー(統計的機械学習研究センター主催)
- 日時
- 2012年10月18日(木) 15:00-17:00

- 場所
- 統計数理研究所 セミナー室5 (3F D313,314)
- 発表者 1
- 清水佳奈(産総研生命情報工学研究センター)
- タイトル
- 化合物データベースのプライバシ保護検索技術の開発
- 概要
- 創薬などに用いられる化合物の情報は企業秘密として厳重に管理されるため,外部データベースに情報を送って類似化合物の検索を行うことが難しかった.
本研究では,ユーザー側とサーバー側の双方が互いに情報を開示することなく,互いのデータを暗号化したままで比較し,検索結果を得ることのできる手法を開発した.
提案手法のプロトタイプを実装し,秘匿回路計算による手法と比較したところ,1000倍程度高速であることが確認できた.
開発した技術はビットベクトルで表現できるデータ全般に応用可能なため,多方面への応用を検討している.
- 発表者 2
- 花岡悟一郎(産総研セキュアシステム研究部門)
- タイトル
- ゼロ知識証明の基礎とプライバシ保護検索への応用
- 概要
- さまざまな応用において、データの機密性の確保は重要な技術的課題となっている。
暗号技術などを用いて単純にデータの内容を秘匿することは可能であるが、その場合は、犯罪などに関る不正なデータの通信がなされていたとしても、
その検出が非常に困難となる。そのような問題を解決する手段として、ゼロ知識証明と呼ばれる技術がよく知られている。
ゼロ知識証明は非常に有用な技術であるが、その一方で、非専門家にとっては必ずしも理解が容易でない。
そこで、本発表においては、ゼロ知識証明の概念とその構成方法に関するなるべく直観的な説明を試みる。
また、ゼロ知識証明の具体的な活用方法について、プライバシ保護検索技術における応用を例に紹介を行う。