生体分子をはじめとする大規模なシミュレーションでは,複雑な「地形」を持つ高次元の空間を効率よくサンプリングし,揺らぎやダイナミクスを調べることが必要とされています.
また,シミュレーションの結果から縮約された情報を取り出す多変量解析手法,シミュレーションを実験データと直接比較する逆モンテカルロ法やデータ同化など,統計科学や機械学習との かかわりも増してきています.
こうした手法の発展は「一定の形状に折りたたまれた分子」から「揺らぎ,ダイナミックに変形しながら機能を発揮する分子」という描像の変化とも呼応して,今後もさらに重要になってくることが予想されます.
この研究会では,この周辺で活躍されている若手・中堅の研究者の方々に最新の話題を提供して頂くことにしました.
10:00-11:30 (90分)
北尾 彰朗(東大,分子細胞生物学研究所)
『タンパク質ソフトモードのサンプリングと相関解析』
(90分昼食休憩)
13:00-14:00(60分)
萩田 克美(防衛大)
『リバースモンテカルロ法と小角散乱データからの構造モデル構築』
(15分休憩)
14:15-15:15(60分)
松永 康佑(理研,計算科学研究機構)
『タンパク質の構造変化サンプリング - ストリング法とデータ同化』
(15分休憩)
15:30-16:30(60分)
藤崎 弘士(日本医科大学)
『経路積分を用いたパスサンプリング
--- 量子ストリング法と Onsager-Machlup 作用汎関数法 ---』
16:30-17:30(60分)
小山 洋平 (理研,生命システム研究センター)
『原子間相互作用摂動解析による分子状態と重要な相互作用の同定』
※内容・場所についてのお問い合わせ等は伊庭幸人(ibaism.ac.jp)までお願いします.