計算機の歴史:1982年 [前年] [次年]  [年別インデックス]

1982(昭和57)年


 計算処理の中心となっているのは、大型コンピュータ HITAC M-280 H システムである。多種多様な統計解析及び、統計シミュレーションなどが、このシステムを用いて処理されている。各研究室ごとに1台以上設置された端末機により、TSSの下で効率的にプログラムやデータの作成・編集、計算の実行などが行われている。バッチ処理で行われる計算も、その多くが端末からの指令により開始される。年間の処理件数は約70,000件、稼働時間は約7,500時間である。プログラム言語としては、FORTRAN が最も多く使用されているが、APL,PL/1 の使用頻度もやや高い。その他、BASIC、アセンブラなども使われている。

 時系列データの作成や加工、及び実時間シミュレーションなど特別な目的のためには、ハイブリッド・コンピュータS-300 システムが使用される。このシステムはパッチボードの代わりに半導体スイッチを用いており、専用言語HASLにより自動パッチングが可能である。

 この他、データの取り込みや機器の制御、あるいは小規模計算に用いられる、ミニ・コンピュータ及びマイクロ・コンピュータが多数使用され、大型システムの負担を軽減している。

 コンピュータを利用できる者は、原則として所員に限られる。個人用を除いたコンピュータに関する管理運営は、所長から委嘱された委員からなる「電子計算機等運営委員会」(委員長第四研究部長)が行っている。

●計算機の構成

1. HITAC M-280 H 関係

処理装置(8MIPS、10MB)
磁気ディスク装置(12パック、6000MB)
磁気テープ装置(6デッキ、800/1600BPI)
コンソール装置(オペレータ用 1台、ユーザ用 2台)
ラインプリンタ(3台)
カードリーダ(3台)、カードパンチャ(1台)
紙テープリーダ(1台)
XY プロッタ(オンライン1台、オフライン1台)
物理乱数発生機( 1台 200KB/秒)
TSS 端末(30台以上)
2.S-300 関係

アナログ演算部(積分器  20、加算器  32、乗算器  12、
     デジタル制御・ポテンションメータ 80、特殊関数器など)
A/D 変換器 (8)
D/A 変換器 (16)
FET スイッチマトリックス
手動ポテンションメータ
ペンレコーダ
XY レコーダ
物理的ノイズジェネレータ(4台)
M系列疑似ノイズジェネレータ

ディジタル演算部(HITAC 10, 16 KW)
コンソール・タイプライタ
紙テープリーダ、紙テープパンチャ
カセットテープ・デッキ(2台)

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