統計数理研究所研究会 神経科学と統計科学の対話 2

統計数理研究所 3F 第5セミナー室 (D312/314)

東京都立川市(最寄り駅・多摩モノレール高松)

2011年 12月26日〜12月27日

地図はここ

昨年度  「神経科学と統計科学の対話」 2011年@統計数理研究所

参考  「非線形科学と統計科学の対話」 2007年@統計数理研究所

前回は顔合わせの意味もあり短めのオリジナル講演・問題提起を並べた構成でしたが,今回は「統計手法のサーベイ・チュートリアル」をメインにして,脳研究そのものに関する特別講演1件とオリジナルの短めの口頭発表を加えた形式にしました.ポスターセッションはありません.

12月26日(月)のプログラム

13:00-13:15
伊庭幸人(統数研)
オープニング

13:15-14:15(60分)
福水 健次(統数研)
カーネル法の基礎(仮題)(講義)

14:15-15:15(60分)
末谷 大道(鹿児島大,JSTさきがけ)
カーネル法・次元縮約の神経科学・ロボティクスへの応用(仮題)(研究事例)

(10分休憩)

15:25-16:10(45分)
中江 健(京大)
神経科学におけるネットワーク構造推定の展開(論文サーベイ)

(30分休憩)

16:40-18:40(120分)
島崎 秀昭(理研), 小山 慎介(統数研)
神経スパイク解析における状態空間モデル,GLMの応用(論文サーベイ)

19:10- 懇親会

12月27日(火)のプログラム

9:30-11:00(90分)
池田 思朗(統数研)
疎表現の神経科学への応用 -実践編-(講義)

(10分休憩)

11:10-11:50(40分)
吉本 潤一郎(沖縄科学技術大学院大学,奈良先端大学)
MATモデルと階層ベイズ法を用いたスパイク列データからのシナプス結合性推定法(招待講演)

(昼食 1時間20分休憩)

13:10-14:40 (90分)
高橋 宏知 (東大)
ラット聴覚皮質の神経活動パターンの情報表現と可塑性(特別講演)

(20分休憩)

15:00-15:20 (20分)
寺島 裕貴(東大,学振)
自然音の疎表現と聴覚皮質の関係を紐解く

15:20-15:40 (20分)
新谷 俊了 (京大)
非一様ポアソン点過程のレート変動検出限界

15:40-16:00 (20分)
倉重 宏樹(理研)
カーネル正準相関分析を用いた神経活動データに基づく視覚認識アルゴリズム設計法

16:00-16:20 (20分)
圓山 由子(京産大)
視覚皮質ニューロン集団の確率的振舞いと相関特性

16:20-16:40 (20分)
予備

(16時50分閉会)


趣旨

神経科学・脳科学への統計科学の応用は近年ますます重要なテーマとなっている. 「流行」としての脳研究がゲノムブームに取って替わられた感がある一方で, 多電極や光学的手法によるマルチニューロ測定の技術は成熟し,多量の実験データが 生成されつつある.また,脳の情報をデコードして読み取り,機械やロボットを制御する 脳・計算機インターフェース(BCI)の流行は,ともすれば順問題のシミュレーションや 数理的解析に偏しがちであった脳理論の研究者に,データ解析・統計的逆問題という 視点の重要性をあらためて意識させる効果があった.

脳科学の側面から,今後重要となる可能性のあるテーマとしては,

などがある.

これに対し,統計的モデリングの側からは

などが重要と思われる.

本研究会では,こうしたテーマに興味のある研究者が集まって交流し, あらたな分野の展望をひらくことを目的とする.

統計科学の役割は,脳科学からの既存の要求に応えること,あるいは, 便利なソフトウェアや部分的な数理を提供することだけではないと考えたい. 統計的手法論のそれぞれに,思想や得意分野があり,それらが神経科学の側の 思想や内容と共鳴して互いに変わっていく,という関係が望ましい. そうした方向をめざす一歩となる研究会にしたいと考えている.


このサイトの管理者は iba@ism.ac.jp
(カットペースト後,全角@を半角@に置き換える)