公募型人材育成事業

>> 公募型人材育成事業トップ

平成26年度活動紹介

26-思考院-7001 『統計サマーセミナー』

統計学を志す若手のための研究交流ワークショップ

平成26年8月1日から4日まで、群馬県伊香保町森秋旅館にて44回めの「統計サマーセミナー」が開催されました。東京大学、大阪大学、九州大学、東京工業大学をはじめ全国から63名の参加者を得て、盛況のうち終了しました。

本セミナーの目的は、経済、工学、医学といった多岐にわたる統計学の関連諸分野の若手が一堂に会し、研究発表と情報交換を通じて、将来統計学の発展を担う学生・研究者、あるいは実社会で企業人として統計学を使いこなせるような人材を育成することにあります。特に本セミナーで重要とすることは、単に発表することだけではなく、情報交換・討論を通じた若手同士の交流です。そのためこのセミナーは合宿形式をとっており、講演外の時間でも心おきなく討論が可能なようになっています。実際、皆の年齢が近いこともあり、毎晩遅くまで遠慮のない質問・討論が行われました。さらに2回の招待講演を設け、特に学会講演では聴く機会の少ない研究初期段階での問題点やこれまでの研究過程の紹介なども講演者に紹介していただきました。

26-思考院-7002 『方向統計学と軌跡データ』

方向を伴うデータの統計解析:実データと数理のフィードバック

空間情報を伴うデータが日々蓄積されているこの頃ですが、空間データ自体は、x-y座標で与えられる単純なものです。にもかかわらず、その解析には意外なほどの困難を伴います。 例えば動物が動いた軌跡データでは、動物が認識しているのは自分の速さと進行方向であって、「絶対空間」におけるx-y座標ではないと考えると、x-y座標はなく、速さと方向と考えて分析することが自然です。ところが、方向に着目して分析しようとすると、意外と戸惑うことが多いのです。なぜなら、方向データは360度で0度に戻るという特殊性を持っています。このため、通常のデータと違った扱いをしないといけない場面が多々あるのです。 動物の軌跡と同じような問題は、細胞や微生物の運動などのミクロの生物の世界でも見られますし、もちろん人間社会でも数多く軌跡データがとられています。植物は動かないようですが、クローンを作って広がっていく植物ですと、長い年月の間に軌跡データを描きます。森の木の枝も、時間と共に広がっていき、それを方向と長さという2つの要因に分けた観方があります。 ワークショップは、2014年 8月26 – 27日に東京理科大学にて行いました。約50名が参加し、方向統計学で研究実績を有する数理統計の講師3名以外の大半は実際のデータを扱っている研究者でした。計8つの具体的事例を提供してもらい、数理及び生物学などの2つの論点を交錯させ、データ解析法を考えました。

26-思考院-7004 『Biostatisticsネットワーク』

医学統計学を専攻する大学院生の研究交流のためのワークショップ

平成26年8月3日、京都大学大学院医学研究科において9回目の「Biostatistics ネットワーク」が、京都大学、総合研究大学院大学、 東京理科大学、久留米大学、大分大学の5大学の参加および45名の参加者を得て、盛況のもと、開催されました。

本研究集会は、参加大学の学生の手によって、企画・運営が行われるということも大きな特徴であり、1年間の準備期間を通して、参加大学の学生同士 が協同して企画・準備を進めることにより、交流を深められるという点からも大きな収穫が得られています。平成26年度は、生存時間解析や診断法の 開発における統計手法、観察研究における傾向スコアを用いた統計解析、ゲノムワイド研究におけるスパース推定を用いた遺伝子選択方法など、大学ごとに特色のある、個性的な研究報告が行われました。

26-思考院-7006 『ゲノム多様性データの統計解析』

ワークショップ「ゲノム多様性データの統計解析」は、統計思考院公募型人材育成事業の補助により2014年12月4日(木)と12月5日(金)の二日にわたり、九州大学西新プラザ中会議室で開催されました。北は北海道から南は沖縄まで、45 名の学生および研究者のみなさまにご参加いただきました。初日は解析に必要となる集団遺伝および統計的推測の基礎に関する話が、総合研究院大学院大学、統計数理研究所、九州大学の演者らによって、数理的かつ直感的に提供されました。二日目はデータが得られた後の処理および解析に関する話題が中心でした。統計数理研究所、国立遺伝学研究所、理化学研究所の演者らにより、ゲノム多様性データの処理に関する基礎的話題および実際の研究現場における話題や、ゲノム多様性データから集団遺伝の理論とベイズ統計を組み合わせてパラメータを推定する方法についての実践的な解説が提供されました。ワークショップ後にアンケートを行なったところ、おおむね好意的な反応をいただきました。