伊庭幸人 "ひとり複雑系ゼミ" 記録 1994年 6月 - 8月
複雑さの理論としての統計学
- 第1回
"情報量規準と複雑さ --入門編--"
日時:6月14日(火)午後7時〜
場所:東大教養15号館108号室
- 第2回
"カテゴリカルデータの統計的分析"
日時:6月21日(火)午後7時〜
場所:東大教養15号館108号室
統計的分析の例として多次元分割表の分析
(CATDAP, loglinear model, Boltzmann machine)
について述べる。シンプソンのパラドクス、
連想記憶との関連などのトピックスにも触れる。
- 第3回
"情報量規準と複雑さ --発展編--"
日時:6月28日(火)午後4時〜5時
検定、交差検証法などほかの考え方と
AICの関係について述べる。
また、AICの難点とされる面についても述べる。
- 第4回
"情報量規準と複雑さ --BIC, MDL, リンドレーパラドクス--"
日時:6月28日(火)午後7時〜
場所:東大教養15号館108号室
ベイズ統計の枠組を紹介し、それにもとづく
情報量規準BIC,MDLについて説明する。
いわゆるリンドレーのパラドクスを紹介し、
BIC,MDLとAICの"複雑さ"に関する思想的違い
について考える。
- 第5回
"大規模ベイズモデルと統計物理アナロジー(1) "
-- 事前分布のメタモデル・内部モデルとしての利用 --
日時:7月5日(火)午後7時〜
場所:東大教養15号館108号室
事前分布を積極的に利用するタイプのベイズ統計の
枠組について述べ、曲線のsmoothing、変化点検出
、画像再構成などへの応用について説明する。
例としては、統計数理研究所の研究者の仕事、
Geman兄弟の仕事、MITのグループの仕事などをとりあげる。
また、統計物理との類似性がsimulated annealingの範囲
を越えて成り立つことを示す。
- 第6回
"大規模ベイズモデルと統計物理アナロジー(2)
-- 事前分布のデータからの学習 --
日時:7月19日(火)午後7時〜
場所:東大教養15号館108号室
事前分布をデータから推定する方法について
経験ベイズ法(ABIC法)を中心に述べる。
例としては、曲線のsmoothing、イジング模型による
画像再構成をとりあげ、学習方程式やEMアルゴリズム
との関連についても触れる。
さらに、非ガウス性(非線形性)が強い場合に
ついての問題点を論じる。
- 第7回
"統計学の限界と近代的知性の限界"
日時:8月2日(火) 午後7時〜
場所:東大教養15号館108号室
統計的情報処理の限界を幾何学的世界像
の限界という面から考える。
さらに、幾何学的世界像
の起源を論じ、その限界を究める/乗り越える
ために考えられる方法を列挙する。
最後に、いままで7回のまとめをする。