ベイズモデルによる知識発見支援
平成12年〜14年度(3年計画)
- 1. 研究目的
非定常性・非線形性などを伴う複雑かつ大規模な時・空間データの解析に
おいては,比較的簡単な理論モデルによって現象を完全に記述し,
現実のデータとの差異は独立な観測誤差とみなせることは,ほとんどないと
いってよい.その場合,現在の知識では表現できない部分とそれ以外の部分を
適切なモデリングに基づいて合理的に分解することによって,
新しい発見の可能性が生じる.特に先端科学領域においては,未知の現象は
しばしば誤差限界ぎりぎりのところに発現する.先端領域における発見の
ためには,その未知の部分に対する我々の期待を積極的にモデルの形で表現し,
能動的に情報抽出を行うことが必要である.このアプローチを数理的に
あらわしたものがベイズアプローチである.本研究プロジェクトでは,ベイズ
モデルに基づく,新しい情報抽出を支援するプラットフォームの創出を
目標とする.
- 2. 構成メンバー
樋口(総括者),北川,川崎,佐藤,尾形,柏木,田村
- 3. 研究計画
-
- 平成12年度
ベイズ統計の枠組みでのハイパーパラメータの効率よい推定法のための
プロトタイプモデルの開発と,そのアルゴリズムを実装した試験的なプロ
グラムの計算性能のさまざまな観点からの評価を行う.さらに,主たる応用
分野として想定しているファイナンスと地球・環境データへの応用可能性を
探り,モデルと計算法の粗型を定める方向にプロジェクトを導く.
平成13年度
- 4. 期待される研究成果
人間の判断が必要だった諸手続きが自動化され,結果として大量の時・空間
系列データの自動処理が可能になり,結果として新しい知識発見が期待できる.
平たく言えば,データマイニングの重要なツールの一つを開発する.
- 5. 関連する過去の成果(レポート等請求)
- 季節調整法のフロンティア (和文・英文 B5版232ページ,平成10年)
- COE時系列班Activity Report (英文 A4版61ページ,平成11年)
(統計数理研究所 研究教育活動報告 No.2として印刷)
- 国際シンポジウムProceedings (英文 A4版367ページ,平成12年)
(統計数理研究所 研究教育活動報告 No.4として印刷)
- COE時系列班を中心とした研究成果宣伝CD (国際シンポジウムにて配布)
- 国際シンポジウムProceedings (英文 A4版260ページ,平成12年)
(統計数理研究所 研究教育活動報告 No.8として印刷)
- 6. 主催・共催した会議・シンポジウム・研究会
2nd International Symposium on Frontiers of
Time Series Modeling:
Nonparametric Approach to Knowledge Discovery (平成12年12月)
日米時系列セミナー(サテライト)(平成13年6月)
3nd International Symposium on Frontiers of
Time Series Modeling:
Modeling Seasonality and Periodicity(平成13年1月)
- 7. Visiting Foreigners
Dr. Visakan Kadirkamanathan from The University of Sheffield
(Apr.17,2000-May.16,2000)
Prof. Wlodzimierz Klonowski from Inst. Biocybernetics and Biomedical Eng.
(Oct.24,2001)
Updated Aug., 2001