☆ 平成8年度報告 ○研究の概要等 -------------------------- 時系列解析研究班[時系列解析の研究, 応用] 取り組んだ課題をモデル開発(MD) 計算法(CM)理論的考察(TA)の観点から分類する MD-1: 多変量時空間モデルの開発 MD-2: 非線形時系列モデルの開発 CM-1: モンテカルロ・フィルタの応用 CM-2: 時変分散時系列モデルの推定法を発展させること CM-3: 資産運用のための実用的プロシジャ−のデザイン CM-4: トレンド除去法, 季節調整法の開発 TA: 拡散過程等の統計モデルの構成と推測の理論}} ----------------------------------- ○実施成果 ----------------------------------- 概要にあげたそれぞれの課題に対して, MD-1: 時空間平滑化法を開発し, 東京湾水質測定デ−タに適用した. MD-1: 基本的な時空間変動分離モデルを複数提案し, それらをネットワ−クで観測され た磁場デ−タに適用し, 優劣を情報量基準によって比較検討した. MD-2: 非線形自己回帰のモデルの開発で大きい進展があった. 脳波や心拍などの生体時系列デ−タの解析に威力を発揮しそう. CM-1: モンテカルロ・フィルタにもとづき状態とパラメ−タの同時推定を行う 方法を開発した. CM-2: 非ガウス型状態空間モデルによる時変分散モデル推定の研究. CM-4: 具体的には株価のデ−タを用いてトレンドと確率変動項を持つ時系列デ−タを 解析するための方法についての検討を行った. 従来から用いられているトレンド項を移動平均などの手法により取り出して から,残りの系列にモデルをあてはめる方法とトレンド+自己回帰過程のモデル を仮定して, 一度でモデルを決める方法の比較・検討を行った. ある程度の知見 を得ることができた. CM-4: 季節調整のX-11法の力学的モデルとその当てはめ計算法に関して進展があった. 確率解析を利用することによってモデル当てはめの自由度が増すことが示された. 非線形観測の場合の簡単で効率のいい新しい非線形フィルタ法を導入した. CM-4: 季節単位根を考慮した季節調整フィルタの研究. CM-4: 季節調整法 Decomp をWWW 上で実行できるようにした. TA: マルチンゲ−ルの漸近展開と, その応用として確率微分方程式の未知母数の推定 量の分布の漸近的性質を研究した. また, 拡散係数の推定量の分布の漸近展開を 導き, ヴァリディティを示した. ------------------------------------------------