\documentstyle{jarticle} \setlength{\textwidth}{17cm} \setlength{\oddsidemargin}{0cm} \setlength{\evensidemargin}{0cm} %\pagestyle{empty} \begin{document} \baselineskip 16pt % \hfill Ver. 2.0 --- 21/APR/'95 \par \begin{center} \fbox{\Large 研究高度化推進経費} \end{center} \noindent {\gt 研究分野}\par {\large 統計科学}\par \bigskip \noindent {\gt 研究テーマ }\par % \begin{center} \noindent {\large 時系列解析の研究・応用} \par % \end{center} \smallskip \noindent [プロジェクト]\par \begin{itemize} \item A.時系列解析用プログラムの研究と開発 \par \item B.ファイナンシャルデータの統計的解析とその応用 \par \item C.季節調整法の開発とその応用 \par \item D.地球・宇宙物理時空間データからの特性抽出に関する研究 \par \end{itemize} \bigskip \noindent {\gt 関連する分野} : \par \noindent A.時系列解析、計算統計学、数値解析、情報科学 \par \noindent B.金融工学(financial engineering)、時系列解析、応用確率過程、 数理計画法、計量経済学 \par \noindent C.時系列解析; (経済時系列のほか、日周期、週周期、年周期、 スピンなどなんらかの周期性を含むすべてのデータ解析に関連する。)\par \noindent D.時系列解析、時空間パターン解析、地震学、電波天文学、 リモートセンシング、気象学、画像回復 \par \bigskip \noindent {\gt 研究の概要}\par \noindent A.\par 統計数理研究所は時系列解析プログラムの開発に おいては常に世界の先頭にたってきた。まさしくCOEと 呼ぶにふさわしい業績をあげてきた。 近年のワークステーションのハードウェア、ソフトウェア の進歩に適合した時系列解析用のプログラムを開発し 続けることにより、この分野での先導的地位を確保できる と考えている。新しい解析手法の研究も含めたものとしたい。 \par \smallskip \noindent B.\par 未だ歴史の浅いながらも社会的需要の大きい ファイナンシャルデータの解析において、これまで提案されてきた実用 モデルの検討を行ない、その挙動や記述能力の限界・問題点を見究め ること。その上で、これまで当研究所で培われてきた解析手法の適用可能性 を検討し、 更に新たなモデリングの方向を探ること。また、資産価格変動 モデルの研究と並行して、資金運用計画のための実用的なprocedureを 提示すること。\par \smallskip \noindent C.\par 季節調整法は経済時系列の解析において避けては通れない極めて重要な基礎的な データ解析手法である。また、季節調整の問題は時系列解析の分野におけるひとつ の 典型的問題として新しいモデル・新しい推定法の開発のきっかけとしても、また それらのテストの場としても重要な位置を占めてきた。本研究所においても この問題をきっかけとしてベイズモデルや状態空間モデルの積極的な利用が開始 され、多くの研究成果がうまれた。本研究はこれまでの研究を発展させ、さらに新 しい モデル・推定法と新しい標準的季節調整法の開発を目標とする。\par \noindent 4年計画:\par \begin{itemize} \item 1年度: 問題の洗いだし。典型的データの収集。従来のモデル・計算法の検討。 \item 2年度: 新しいモデル・計算法の検討。モデル評価法の検討。 \item 3年度: ソフトウェアの開発。実データによる問題点の検討。 \item 4年度: ソフトウェアの改良。応用研究。 \end{itemize} \smallskip \noindent D.\par \noindent 3年計画: \begin{itemize} \item 初年 度 各適応分野において、典型的なデータの収集と粗モデルの構築。 \item 2年 度 実際のデータへの適用を通して、新しいモデルの提案とその検討。 \item 最終年度 解析ソフトの完成。多数の実データへの適用。 \end{itemize} \bigskip \newpage \noindent {\gt 実施組織}\par \small \begin{table}[h] \begin{tabular}{llllll} \hline {氏名}&{所属}&{官職}&{専門分野}&{役割分担}&{担当プロジェクト} \\ \hline {吉田 朋広}&{統計基礎研究系}&{助教授}&{確率過程論}& {拡散過程の理論と金融工学への応用}&{B} \\ {尾形 良彦}&{調査実験解析系}&{教授}&{点過程解析}&{地震活動の時空間モデルの開発} &{D} \\ {柏木 宣久}&{調査実験解析系}&{助教授}&{統計科学}&{データ解析} &{D} \\ {尾崎 統}&{予測制御研究系}&{系主幹}&{時系列解析}& {非線形時系列モデルの研究と金融工学への応用}&{B、C} \\ {川崎 能典}&{予測制御研究系}&{助手}&{時系列解析}& {資産リスク分析のための時系列解析、 経済時系列解析、経済成長・トレンド理論の研究}&{B、C} \\ {樋口 知之}&{予測制御系}&{助教授}&{時系列解析}& {モンテカルロフィルタと遺伝的アルゴリズムの研究、 人工衛星画像データの自動処理}&{C、D} \\ {田辺 国士}&{予測制御系}&{教授}&{最適化}&{逆問題解析} &{D} \\ {伊庭 幸人}&{予測制御系}&{助手}&{統計学・統計物理学}& {乱数を利用した大規模数値計算法の開発}&{D} \\ {石黒 真木夫}&{予測制御研究系}&{教授}&{時系列解析}& {時系列解析手法の研究、多次元時系列モデルの開発、 天文科学への適用}&{A、C、D}\\ {北川 源四郎}&{統計データ解析センター}&{センター長}&{時系列解析}& {時系列解析手法の研究、非ガウス型モデルの研究、地震データからの特徴抽出} &{A、C、D}\\ {駒木 文保}&{統計データ解析センター}&{助教授}&{統計科学}& {時空現象の解析、時空間データの解析法の研究}&{A、D}\\ {上田 澄江}&{統計データ解析センター}&{助手}&{統計科学}& {乱数についての研究}&{A}\\ {田村 義保}&{統計データ解析センター}&{助教授}&{計算統計学}& {GUI等のインターフェースの研究、金融工学のためのニューラルネットモデル} &{A,B} \\ {荒畑 恵美子}&{統計データ解析センター}&{助手}&{時系列解析}& {時系列解析プログラムの開発、データ解析用のソフトウェアの開発}&{A、D}\\ {山下 智志}&{統計教育情報センター}&{助手}&{リスク分析}& {資産運用リスク管理のための最適化分析}&{B} \\ {宇津 徳治}&{}&{東京大学名誉教授}&{地震学}&{地震活動の研究}&{D} \\ {松浦 律子}&{埼玉大学}&{非常勤講師}&{地震統計}&{地震活動の点過程解析}&{D} \\ \hline \end{tabular} \end{table} \newpage \normalsize \noindent {\gt 計画の特色、意義および期待される成果}\par \noindent A. \begin{itemize} \item 情報量規準に基づいたモデル化を行うことにより、データに忠実な、 直観、経験に頼らない解析を行えるようにする。 \item 非ガウス性、非線形性等、統計数理研究所が独自に採り入れてきた 内容をプログラム化することの波及は大きい。 \item 応用分野は、地震、工学プラントなどの自然科学領域にとどまらず、 経済データ・経営データにもひろがるものと思われる。 \end{itemize} \smallskip \noindent B. \begin{itemize} \item デリバティブに代表される資産取引/運用の高度化・複雑化で、金融データ 解析への社会的需要は近年とみに大きい。研究が実務界へインパクトをもつだけで なく、研究課題を実務界のニーズから引き上げる、応用対象と密接に結び付いた 研究領域である。 \item 経済分析にありがちな 因果性・パラメータの解釈等の議論の要請はなく、純粋に工学的 視点からダイナミクスの解明が求められるため、モデルの優劣を比較 しやすいフィールドである。 \item 実データには非ガウス性・非線形性が顕著で、これまで 統計数理研究所で開発されてきた当該モデル群に関する 豊富な数値的経験を生かし、更に新たなモデリングを探索するのに適切 かつchallengingな応用対象である。 \item 資産価格変動を表現する非線形モデルの推定に関する知見の 深化あるいは新たな成果、資金運用計画を念頭においたリスク分析 のための実用的な時系列解析法の設計、などが期待される。 \end{itemize} \smallskip \noindent C.\par \noindent [特色・意義] \par \begin{itemize} \item 国際的な共同研究の実績がある。 \item 国際的に認知された研究所独自の成果がある。 \item 社会的な需要があり、新しい方法が確立すると世界的な標準的解析法 となる可能性がある。 \item ベイズ法、状態空間モデル、力学系モデル、情報量規準など新しく \item 開発されたモデル、統計的手法を試す test field としても適当。 \item 広範な共同研究の実績および可能性がある。 \end{itemize} \noindent [期待される効果] \par \begin{itemize} \item 新しい標準的季節調整法の開発。 \item さまざまな統計的モデルの開発。 \item 情報量規準EICの適用と検討。 \item 新しい時系列解析手法の開発 \item 共同研究の拡大 \item 新たな問題の発掘 \end{itemize} \smallskip \noindent D.\par \noindent [特色・意義] \par \begin{itemize} \item 実施組織の各メンバーに、各応用分野において認められた実績がある。 \item 海外との共同研究の実績もあり、また将来的にも継続的になされる可能性が 大きい。 \item 非定常時系列解析法で蓄積された実績の、時空間データへの適用可能性を探る。 \item いったん解析手法が開発されれば、海外を含めて数多くの研究者が 利用する可能性が高い。 \end{itemize} \noindent [期待される効果]\par \begin{itemize} \item これから重要になると予想される時空間データ解析に対するイニシアティブ。 時空間データに対する新しいモデルの喚起。 \item 超大規模な計算に関する数値的な経験の蓄積。 \item 海外との共同研究の推進。 \end{itemize} \noindent {\gt 研究テーマ等の決定方法} {\scriptsize (テーマ決定に至る経緯)}\par \noindent A.\par 時系列解析プログラムパッケージTIMSACは MS-Windows版、X-Windows版、SAS/IML版等を 開発し、より使い易いソフトウェアをとの声 に答えてきた。より、高度な解析を行えるよ うなモデルを研究・開発し、それを使い易い プログラムとすることが必要であると思われ た。\par \smallskip \noindent B.\par ファイナンスの統計的解析に関しては、ここ数年多くの 統計相談が舞い込んでいること、また大学院生・受託研究員にファイナンス をテーマとする者が少なくないことなどに、その社会的 要請を看てとれる。このような社会的需要の高まりを機に、当研究所 に解析グループを発足させ、従来の個別教官ごとの対応か ら脱却し、共同で継続的にファイナンシャルデータの解析を 行なう環境づくりの端緒とすることを目的に、このようなテーマ 設定を行なった。\par \smallskip % \noindent C.\par % \smallskip \noindent D.\par 地球・宇宙物理学の領域では、近年のデータ取得技術の著しい向上により、 より精度の高い多様な観点からの豊富な情報量を活用して研究対象をとらえる 試みが数多くなされてきている。この傾向にともない、蓄積されるデータの形式も 、 時系列から時空間データへと変容しつつある。従って、共同研究としてもちこまれ る データも、近い将来時空間データになっていくことが当然予想される。 解析手法もこのような環境に対応して新しい展開が必要とされる。 以上により、この研究テーマを設定した。 \par \bigskip \noindent {\gt 研究成果等の評価システム}\par \noindent A.\par 研究成果に関しては、研究論文・学会発表による評価と同時に、提案した方法 提供したプログラムに関してデータ解析の実務者から積極的にコメントを貰う。\par \smallskip \noindent B.\par 研究成果に関しては、研究論文・学会発表による評価と同時に、提案した方法 に関して実務界から積極的にコメントを貰う。\par \smallskip \noindent C.\par 単年度の評価ではなく数年たった時点で \begin{itemize} \item 研究論文(モデル、統計手法の開発、理論的貢献) \item 開発されたソフトウェア(実行可能性) \item 共同研究の広がりと成果(実用性、有用性) \item 新たな問題の発掘(発展性) \end{itemize} などを見て、統計科学および社会へのインパクトの大きさを総合的に評価する。 \smallskip \noindent D.\par 研究計画最終年度に、 \begin{itemize} \item 共同研究として新しく加わったメンバーの公表によって、 共同研究の裾野の広がりの点検。 \item 海外との共同研究の実績の確認。 \item 基礎技術として確立した部分に関する学術論文発表によって、 統計科学においての成果の評価。 \item 典型的なデータへの手法の適用に関する学術論文発表によって、 各個別分野における成果の確認。 \item 学会で、実際のデータをもちいた解析や基礎技術に関する結果の口頭報告。 \end{itemize} をおこなう。\par そののち、各個別適用分野でどの程度開発した手法がひろく 使われるのかを、長期・継続的に報告する。 \par \end{document} \documentstyle{jarticle} \setlength{\textwidth}{17cm} \setlength{\oddsidemargin}{0cm} \setlength{\evensidemargin}{0cm} %\pagestyle{empty} \begin{document} \baselineskip 16pt % \hfill Ver. 2.0 --- 21/APR/'95 \par \begin{center} \fbox{\Large 研究高度化推進経費} \end{center} \noindent {\gt 研究分野}\par {\large 統計科学}\par \bigskip \noindent {\gt 研究テーマ }\par % \begin{center} \noindent {\large 時系列解析の研究・応用} \par % \end{center} \smallskip \noindent [プロジェクト]\par \begin{itemize} \item A.時系列解析用プログラムの研究と開発 \par \item B.ファイナンシャルデータの統計的解析とその応用 \par \item C.季節調整法の開発とその応用 \par \item D.地球・宇宙物理時空間データからの特性抽出に関する研究 \par \end{itemize} \bigskip \noindent {\gt 関連する分野} : \par \noindent A.時系列解析、計算統計学、数値解析、情報科学 \par \noindent B.金融工学(financial engineering)、時系列解析、応用確率過程、 数理計画法、計量経済学 \par \noindent C.時系列解析; (経済時系列のほか、日周期、週周期、年周期、 スピンなどなんらかの周期性を含むすべてのデータ解析に関連する。)\par \noindent D.時系列解析、時空間パターン解析、地震学、電波天文学、 リモートセンシング、気象学、画像回復 \par \bigskip \noindent {\gt 研究の概要}\par \noindent A.\par 統計数理研究所は時系列解析プログラムの開発に おいては常に世界の先頭にたってきた。まさしくCOEと 呼ぶにふさわしい業績をあげてきた。 近年のワークステーションのハードウェア、ソフトウェア の進歩に適合した時系列解析用のプログラムを開発し 続けることにより、この分野での先導的地位を確保できる と考えている。新しい解析手法の研究も含めたものとしたい。 \par \smallskip \noindent B.\par 未だ歴史の浅いながらも社会的需要の大きい ファイナンシャルデータの解析において、これまで提案されてきた実用 モデルの検討を行ない、その挙動や記述能力の限界・問題点を見究め ること。その上で、これまで当研究所で培われてきた解析手法の適用可能性 を検討し、 更に新たなモデリングの方向を探ること。また、資産価格変動 モデルの研究と並行して、資金運用計画のための実用的なprocedureを 提示すること。\par \smallskip \noindent C.\par 季節調整法は経済時系列の解析において避けては通れない極めて重要な基礎的な データ解析手法である。また、季節調整の問題は時系列解析の分野におけるひとつ の 典型的問題として新しいモデル・新しい推定法の開発のきっかけとしても、また それらのテストの場としても重要な位置を占めてきた。本研究所においても この問題をきっかけとしてベイズモデルや状態空間モデルの積極的な利用が開始 され、多くの研究成果がうまれた。本研究はこれまでの研究を発展させ、さらに新 しい モデル・推定法と新しい標準的季節調整法の開発を目標とする。\par \noindent 4年計画:\par \begin{itemize} \item 1年度: 問題の洗いだし。典型的データの収集。従来のモデル・計算法の検討。 \item 2年度: 新しいモデル・計算法の検討。モデル評価法の検討。 \item 3年度: ソフトウェアの開発。実データによる問題点の検討。 \item 4年度: ソフトウェアの改良。応用研究。 \end{itemize} \smallskip \noindent D.\par \noindent 3年計画: \begin{itemize} \item 初年 度 各適応分野において、典型的なデータの収集と粗モデルの構築。 \item 2年 度 実際のデータへの適用を通して、新しいモデルの提案とその検討。 \item 最終年度 解析ソフトの完成。多数の実データへの適用。 \end{itemize} \bigskip \newpage \noindent {\gt 実施組織}\par \small \begin{table}[h] \begin{tabular}{llllll} \hline {氏名}&{所属}&{官職}&{専門分野}&{役割分担}&{担当プロジェクト} \\ \hline {吉田 朋広}&{統計基礎研究系}&{助教授}&{確率過程論}& {拡散過程の理論と金融工学への応用}&{B} \\ {尾形 良彦}&{調査実験解析系}&{教授}&{点過程解析}&{地震活動の時空間モデルの開発} &{D} \\ {柏木 宣久}&{調査実験解析系}&{助教授}&{統計科学}&{データ解析} &{D} \\ {尾崎 統}&{予測制御研究系}&{系主幹}&{時系列解析}& {非線形時系列モデルの研究と金融工学への応用}&{B、C} \\ {川崎 能典}&{予測制御研究系}&{助手}&{時系列解析}& {資産リスク分析のための時系列解析、 経済時系列解析、経済成長・トレンド理論の研究}&{B、C} \\ {樋口 知之}&{予測制御系}&{助教授}&{時系列解析}& {モンテカルロフィルタと遺伝的アルゴリズムの研究、 人工衛星画像データの自動処理}&{C、D} \\ {田辺 国士}&{予測制御系}&{教授}&{最適化}&{逆問題解析} &{D} \\ {伊庭 幸人}&{予測制御系}&{助手}&{統計学・統計物理学}& {乱数を利用した大規模数値計算法の開発}&{D} \\ {石黒 真木夫}&{予測制御研究系}&{教授}&{時系列解析}& {時系列解析手法の研究、多次元時系列モデルの開発、 天文科学への適用}&{A、C、D}\\ {北川 源四郎}&{統計データ解析センター}&{センター長}&{時系列解析}& {時系列解析手法の研究、非ガウス型モデルの研究、地震データからの特徴抽出} &{A、C、D}\\ {駒木 文保}&{統計データ解析センター}&{助教授}&{統計科学}& {時空現象の解析、時空間データの解析法の研究}&{A、D}\\ {上田 澄江}&{統計データ解析センター}&{助手}&{統計科学}& {乱数についての研究}&{A}\\ {田村 義保}&{統計データ解析センター}&{助教授}&{計算統計学}& {GUI等のインターフェースの研究、金融工学のためのニューラルネットモデル} &{A,B} \\ {荒畑 恵美子}&{統計データ解析センター}&{助手}&{時系列解析}& {時系列解析プログラムの開発、データ解析用のソフトウェアの開発}&{A、D}\\ {山下 智志}&{統計教育情報センター}&{助手}&{リスク分析}& {資産運用リスク管理のための最適化分析}&{B} \\ {宇津 徳治}&{}&{東京大学名誉教授}&{地震学}&{地震活動の研究}&{D} \\ {松浦 律子}&{埼玉大学}&{非常勤講師}&{地震統計}&{地震活動の点過程解析}&{D} \\ \hline \end{tabular} \end{table} \newpage \normalsize \noindent {\gt 計画の特色、意義および期待される成果}\par \noindent A. \begin{itemize} \item 情報量規準に基づいたモデル化を行うことにより、データに忠実な、 直観、経験に頼らない解析を行えるようにする。 \item 非ガウス性、非線形性等、統計数理研究所が独自に採り入れてきた 内容をプログラム化することの波及は大きい。 \item 応用分野は、地震、工学プラントなどの自然科学領域にとどまらず、 経済データ・経営データにもひろがるものと思われる。 \end{itemize} \smallskip \noindent B. \begin{itemize} \item デリバティブに代表される資産取引/運用の高度化・複雑化で、金融データ 解析への社会的需要は近年とみに大きい。研究が実務界へインパクトをもつだけで なく、研究課題を実務界のニーズから引き上げる、応用対象と密接に結び付いた 研究領域である。 \item 経済分析にありがちな 因果性・パラメータの解釈等の議論の要請はなく、純粋に工学的 視点からダイナミクスの解明が求められるため、モデルの優劣を比較 しやすいフィールドである。 \item 実データには非ガウス性・非線形性が顕著で、これまで 統計数理研究所で開発されてきた当該モデル群に関する 豊富な数値的経験を生かし、更に新たなモデリングを探索するのに適切 かつchallengingな応用対象である。 \item 資産価格変動を表現する非線形モデルの推定に関する知見の 深化あるいは新たな成果、資金運用計画を念頭においたリスク分析 のための実用的な時系列解析法の設計、などが期待される。 \end{itemize} \smallskip \noindent C.\par \noindent [特色・意義] \par \begin{itemize} \item 国際的な共同研究の実績がある。 \item 国際的に認知された研究所独自の成果がある。 \item 社会的な需要があり、新しい方法が確立すると世界的な標準的解析法 となる可能性がある。 \item ベイズ法、状態空間モデル、力学系モデル、情報量規準など新しく \item 開発されたモデル、統計的手法を試す test field としても適当。 \item 広範な共同研究の実績および可能性がある。 \end{itemize} \noindent [期待される効果] \par \begin{itemize} \item 新しい標準的季節調整法の開発。 \item さまざまな統計的モデルの開発。 \item 情報量規準EICの適用と検討。 \item 新しい時系列解析手法の開発 \item 共同研究の拡大 \item 新たな問題の発掘 \end{itemize} \smallskip \noindent D.\par \noindent [特色・意義] \par \begin{itemize} \item 実施組織の各メンバーに、各応用分野において認められた実績がある。 \item 海外との共同研究の実績もあり、また将来的にも継続的になされる可能性が 大きい。 \item 非定常時系列解析法で蓄積された実績の、時空間データへの適用可能性を探る。 \item いったん解析手法が開発されれば、海外を含めて数多くの研究者が 利用する可能性が高い。 \end{itemize} \noindent [期待される効果]\par \begin{itemize} \item これから重要になると予想される時空間データ解析に対するイニシアティブ。 時空間データに対する新しいモデルの喚起。 \item 超大規模な計算に関する数値的な経験の蓄積。 \item 海外との共同研究の推進。 \end{itemize} \noindent {\gt 研究テーマ等の決定方法} {\scriptsize (テーマ決定に至る経緯)}\par \noindent A.\par 時系列解析プログラムパッケージTIMSACは MS-Windows版、X-Windows版、SAS/IML版等を 開発し、より使い易いソフトウェアをとの声 に答えてきた。より、高度な解析を行えるよ うなモデルを研究・開発し、それを使い易い プログラムとすることが必要であると思われ た。\par \smallskip \noindent B.\par ファイナンスの統計的解析に関しては、ここ数年多くの 統計相談が舞い込んでいること、また大学院生・受託研究員にファイナンス をテーマとする者が少なくないことなどに、その社会的 要請を看てとれる。このような社会的需要の高まりを機に、当研究所 に解析グループを発足させ、従来の個別教官ごとの対応か ら脱却し、共同で継続的にファイナンシャルデータの解析を 行なう環境づくりの端緒とすることを目的に、このようなテーマ 設定を行なった。\par \smallskip % \noindent C.\par % \smallskip \noindent D.\par 地球・宇宙物理学の領域では、近年のデータ取得技術の著しい向上により、 より精度の高い多様な観点からの豊富な情報量を活用して研究対象をとらえる 試みが数多くなされてきている。この傾向にともない、蓄積されるデータの形式も 、 時系列から時空間データへと変容しつつある。従って、共同研究としてもちこまれ る データも、近い将来時空間データになっていくことが当然予想される。 解析手法もこのような環境に対応して新しい展開が必要とされる。 以上により、この研究テーマを設定した。 \par \bigskip \noindent {\gt 研究成果等の評価システム}\par \noindent A.\par 研究成果に関しては、研究論文・学会発表による評価と同時に、提案した方法 提供したプログラムに関してデータ解析の実務者から積極的にコメントを貰う。\par \smallskip \noindent B.\par 研究成果に関しては、研究論文・学会発表による評価と同時に、提案した方法 に関して実務界から積極的にコメントを貰う。\par \smallskip \noindent C.\par 単年度の評価ではなく数年たった時点で \begin{itemize} \item 研究論文(モデル、統計手法の開発、理論的貢献) \item 開発されたソフトウェア(実行可能性) \item 共同研究の広がりと成果(実用性、有用性) \item 新たな問題の発掘(発展性) \end{itemize} などを見て、統計科学および社会へのインパクトの大きさを総合的に評価する。 \smallskip \noindent D.\par 研究計画最終年度に、 \begin{itemize} \item 共同研究として新しく加わったメンバーの公表によって、 共同研究の裾野の広がりの点検。 \item 海外との共同研究の実績の確認。 \item 基礎技術として確立した部分に関する学術論文発表によって、 統計科学においての成果の評価。 \item 典型的なデータへの手法の適用に関する学術論文発表によって、 各個別分野における成果の確認。 \item 学会で、実際のデータをもちいた解析や基礎技術に関する結果の口頭報告。 \end{itemize} をおこなう。\par そののち、各個別適用分野でどの程度開発した手法がひろく 使われるのかを、長期・継続的に報告する。 \par \end{document}