リスク解析戦略研究センター・リスク研究ネットワーク
設立20周年記念シンポジウム
―― 不確実な時代に向き合う科学と実践 ――

<開催日時>
2025年10月30日(木)
【オンライン開催・参加費無料・要申込】
リスクシンポジウムポスター
<参加申し込み>
事前登録制(定員300名・先着順)
※後日、ご参加登録時に設定いただいたメールアドレス宛に
「資料ダウンロードページのURL」及び資料ファイルを開くための「パスワード」をご案内します。

※シンポジウムのZoomウェビナー接続用URLは、ご登録時にZoomシステムより自動配信メールにてご案内しております。
ご案内が不着の場合は、下記宛にご連絡をお願いいたします。

リスク解析戦略研究センター事務局:rco[at]ml1.ism.ac.jp

※アブストラクトは随時更新いたします。

プログラム

■13:30-13:40 開会挨拶・リスク解析戦略研究センターの紹介
加藤 昇吾
(統計数理研究所 リスク解析戦略研究センター センター長)
■13:40-13:50 リスク研究ネットワークの紹介
伊藤 誠
(リスク研究ネットワーク運営委員長/筑波大学 システム情報系 教授/人工知能科学センター 副センター長)

講演

座長:村上 大輔(統計数理研究所 リスク解析戦略研究センター 副センター長)
■13:50-14:30 「今こそ必要な統合的リスク科学~リスク解析戦略研究センター・NOE活動創成時の思い~」
椿 広計
(情報・システム研究機構 データサイエンス共同利用基盤施設 副施設長)
2004年秋、北川源四郎先生(当時ISM所長)から、ISMにNOE形成の戦略センターとしてリスク評価センターを設立への協力要請があった。 当初は、社会的要請が大きく、統計応用分野の支援が受けられるプロジェクト形成構想であった。 小生が所属していた筑波大学の同僚と設立準備WSを3回開催する中で、統計科学・情報学からなる分野横断的・統合的リスク科学形成に重点が移り、 そのハブ機関としてリスク解析戦略研究センターとNOEが2005年4月に設立され、2005年11月に設立記念シンポジウムが開催され、いくつかの支援プロジェクトも形成された。 筆者がセンター長を退任した2012年度末までには、システム工学的視点も含めリスク情報・システム科学という理念と推進組織形成を日本学術会議マスタープランに提案することも NOE総会で合意された。 講演ではリスク解析戦略研究センター設立前後やNOE設立後の議論やISM並びに、現在振り返るべきNOEでの議論について紹介する。
休憩 14:30~14:40
■14:40-15:20 「階層ベイズモデリングを用いた海洋データ分析」
菅澤 翔之助
(慶應義塾大学 経済学部 准教授)
海洋データの統計解析では、位置や時間の情報を伴うデータが広く利用されており、精度の高い予測や補間を行うためには、データに潜む時空間相関を的確に捉えることが不可欠である。 本講演では、階層ベイズモデリングの枠組みに基づく時空間モデルの研究をいくつか紹介する。 具体的には、観測点ごとの採取数を対象としたゼロ過剰時空間ポアソンモデル、さらには連続変数や離散変数といった多様な種類の応答変数が混在する多次元データに対して、 空間相関の影響を統計的に切り分けて解析するためのグラフィカルモデルを取り上げる。
■15:20-16:00 「計画経済としての実験計画」
成田 悠輔
(半熟仮想株式会社 代表/イェール大学 助教授)
ランダム化比較試験(RCT)やA/Bテストの設計を考える。これらの実験は数億人規模の被験者の生活に影響を与えている。 被験者の厚生を考慮すると、できるだけ素早く結論を出し、有害な処置を被験者に割り当てない実験設計が求められる。 そのための試みを二つ提示する。まずは昔から広く研究されている統計的に効率な推定を可能にする実験計画を示す。 次に代替的な方法として、「市場としての実験(Experiment-as-Market, EXAM)」と呼ぶ実験設計を提案する。 実験計画問題を「処置(=商品)を被験者(=消費者)に確率的に分配する計画経済問題」として解くことで 被験者の厚生を最大化する、経済的効率性を重んじるアプローチである。 統計的効率性に基づく方法と経済的効率性に基づく方法を比べながら、実験計画の理論と実装の未解決問題を展望する。
休憩 16:00~16:10
■16:10-16:50 「リスク下における森林資源管理と数理モデリング」
吉本 敦
(統計数理研究所 リスク解析戦略研究センター 教授)
森林資源は、自然災害、病害虫、気候変動、そして市場変動など多様なリスクに直面しており、その持続的な利用と保全を両立させるためには、リスクを考慮した数理モデリングと最適化が不可欠である。 本講演では、講演者がこれまでに取り組んできた林分レベルおよびランドスケープレベルの数理モデリング研究を紹介する。 林分レベルでは、冠雪害リスクの回避や管理放棄の防止を目的とした最適化手法を示し、政策的・経済的な意思決定への応用可能性を議論する。 ランドスケープレベルでは、病害虫の空間的拡散制御や隣接・結合関係を考慮した離散最適化モデルを取り上げ、空間的制約下での最適な森林管理計画の探索を試みる。 これらの研究は、リスク下における森林資源管理の合理化を図るとともに、数理モデリングに基づく新たな意思決定支援の方向性を提示するものである。
※第4講演の講演者が変更となりました。当初ご登壇予定の山下 智志先生に代わり、吉本 敦 先生にご講演いただきます
■16:50~17:00  閉会の挨拶
村上 大輔
 (統計数理研究所 リスク解析戦略研究センター 副センター長)
<主催>
統計数理研究所 リスク解析戦略研究センター
<共催>
リスク研究ネットワーク
医療健康データ科学研究ネットワーク
<その他>
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視聴時の撮影・録画・録音もご遠慮願います。
<お問合せ先>
統計数理研究所 リスク解析戦略研究センター事務局
E-mail : rco[at]ml1.ism.ac.jp