リスク解析戦略研究センターシンポジウム


<開催日時>
2021年9月2日(木)13:00~16:30
【オンライン開催・参加費無料・要申込】
リスクシンポジウムポスター
<参加申し込み>
事前登録制(先着順)

各講演の資料・映像・音声は発表者の著作物であり、著作権法による保護対象です。 これらを他者に渡したりインターネット上にアップロードする行為はご遠慮ください。 また視聴時に撮影・録画や録音はお控えくださるようにお願いいたします。
プログラム
■13:00~13:15  開会の挨拶・統計数理研究所リスク解析戦略研究センター紹介
山下 智志
(統計数理研究所・リスク解析戦略研究センター長)
<特別講演>
座長:二宮 嘉行(統計数理研究所 リスク解析戦略研究センター・教授)
■13:15ー13:50 「高次元小標本の統計学:非スパース性と巨大ノイズ」
青嶋 誠
(筑波大学 数理物質系・教授)
次元数が数百万にものぼる、ゲノム等の超高次元データを対象とする。 次元数が標本数を遥かに凌ぐがゆえに、従来の統計学は理論が成立しない。超高次元データの特徴は、 非スパース性にある。非スパースな超高次元データは、高次元においてノイズが爆発するがゆえに潜在情報が埋もれてしまい、 統計的推測に精度を保証することが難しくなる。
講演者の研究グループは、高次元統計解析の理論と方法論を開拓し、非スパースな超高次元データに対する統計数理を発展させた。 これは、高次元で膨張する巨大なノイズを確率解析し、データ変換によって巨大なノイズを除去することで データの幾何的特徴を浮き彫りにさせ、統計的推測の精度向上と計算コストの大幅削減を図るものである。

本講演は、たとえ数十程度の小標本であっても超高次元データを高速かつ高精度に解析するための、 高次元小標本の統計学を紹介する。 なお、本講演に関連する論文や解析ツールは、下記サイトから公開している。
http://www.math.tsukuba.ac.jp/~aoshima-lab/jp/
■13:50ー14:25 「多変量生存解析における接合関数アプローチ」
塚原 英敦
(成城大学 経済学部 経済学科・教授、統計数理研究所・客員教授)
多変量生存解析の目的は、複数の故障時刻間に相互依存性が存在する場合に、共変量の影響も考慮に入れた上で、 その依存性を分析することである。その中で、接合関数アプローチでは、多次元生存関数を1次元周辺分布と 相互依存構造を分けてモデル化する。
このアプローチに関する利点および欠点・問題点を吟味しつつ、 他のアプローチとの比較を通じて、ファイナンスにおけるリスク管理など、いくつかの具体的な応用例における 接合関数アプローチの妥当性・適用可能性を議論する。
休憩 14:25-14:40
<チュートリアル講演> ~ 地震学のデータサイエンス ~
座長:矢野 恵佑(統計数理研究所 リスク解析戦略研究センター・准教授)
■14:40―15:30 「情報科学と統計科学が加速する地震データサイエンス」
長尾 大道
(東京大学地震研究所・准教授、東京大学大学院情報理工学系研究科・准教授、統計数理研究所・客員准教授)
1995年兵庫県南部地震を契機に全国規模の地震観測網が整備され、現在では2,000点以上の地震計が日本周辺における地震観測を常時実施している。 これにより、地震学は本格的にビッグデータの時代を迎え、地震速報・緊急地震速報の高度化や「スロー地震」の発見に繋がった。 地震データ解析のための手段として、地震学は従前より情報科学や統計科学と密接な関係にあったが、 民間会社が所有する地震計やスマートフォンに内蔵されている振動計のデータ利活用による「地震超ビッグデータ時代」の到来が確実視されており、 人工知能技術の導入も視野に入れながら、地震データ解析手法を刷新していく必要がある。

本講演では、講演者が牽引している科学技術振興機構 戦略的創造研究推進事業CREST「次世代地震計測と最先端ベイズ統計学との融合によるインテリジェント地震波動解析」、 ならびに文部科学省STAR-Eプロジェクト「人工知能と自然知能の対話・協働による地震研究の新展開」での取り組みを中心に、 今後の地震データサイエンスを加速するための情報科学と統計科学との協働のあり方について議論する。
休憩 15:30―15:35
■15:35―16:25 「統計科学の地震学への応用:地下の物理状態推定に向けて」
岩田 貴樹
(県立広島大学 大学教育実践センター・准教授、統計数理研究所・客員准教授)
天気予報は十分に実用化されているのに対し「地震予報」の実現化にはまだ至っていません。その理由の1つとして「観測の困難さ」が挙げられます。 天気予報を行うには、現在(や過去)の大気の状態を表す種々の物理量(例えば気温)を知る必要があります。 そのため様々な観測機器・手段を駆使して、地表および上空の大気の状態を把握する気象観測が行われています。
同様に地震予測には地中の物理状態を知ることが必要不可欠ですが、多くの地震が起きている地表から数~数十kmの深さに 観測機器を到達させることや気象観測におけるレーダーのようなもので地下を「観る」ことは現在の技術では不可能です。

本講演では、こういった状況の下、地表で得られたデータから地下の物理状態を推定し、それを将来的に地震予測へと結びつける 統計的枠組みについて紹介します。
■16:25~16:30  閉会の挨拶
椿 広計
 (統計数理研究所・所長)
<主催>
統計数理研究所 リスク解析戦略研究センター
<共催>
医療健康データ科学研究ネットワーク

<お問合せ先>
大学共同利用機関法人 情報・システム研究機構
統計数理研究所 リスク解析戦略研究センター事務局
E-mail : rco[at]ism.ac.jp