平成71995)年度 共同研究A実施報告書

 

課題番号

7−共研−23

専門分類

3

研究課題名

臨床における経時データの解析

フリガナ

代表者氏名

ヤフネ アキフミ

矢船 明史

ローマ字

所属機関

北里研究所バイオイアトリックセンター

所属部局

臨床薬理部

職  名

医師

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

3 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

個体間および個体間変動の影響により複雑な動きを示す臨床経時データに対して,臨床経験に基づく事前情報を事前分布としてモデルに導入し,ベイズ的なアプローチを行うことは,有効な解析方法の一つとなる。本研究では,このようなベイズ的なアプローチを中心とした様々な解析方法を試みることにより,臨床から得られる多種多様な経時的データの解析を研究目的とする。


昨年度までの本共同研究の成果を踏まえた上で、本年度においては、
(1)最適なサンプリングポイントの選択
(2)多次元事前分布を導入したベイズ的アプローチによるデータ解析
という点に重点を置いた研究を行った。これらの点は臨床における経時データ、その中でも特に薬物動態学的データの解析において重要なポイントである。
最初の点については、対象が患者であり、ポイント数が必然的に制限されてしまうため、限られたサンプルをどの時点においてとるのが最適かという点が、重要な問題となる。本年度の研究では、Kullback-Leibler情報量に基づいたアプローチを試み、実際のデータに適用した。その結果については、Communications in Statisticsに掲載される予定である。次年度以降は、より広い範囲のデータに対する適用を試みる予定である。
また二番目の点については、薬物動態学的解析において、一般に用いられているモデルに含まれる複数のパラメータ間にはかなり高い相関が認められる場合があり、解析においてもこの相関を導入したアプローチが必要となる。この点に関しては、本年度の研究においてはまだ具体的な成果を発表するには至らなかったが、次年度以降、Bootstrap法の活用なども含めたアプローチにより、研究を継続していく予定である。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

Yafune, A., Ishiguro, M. and Kitagawa, G., Kullback-Leibler information approach to the optimum measurement point for Bayesian estimation,Communications in Statistics, 25, 1996 (in press)


研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

1.研究内容:臨床から得られる多種多様な経時的データについて,臨床経験を有効に活用することにより,臨床医の有する事前情報を事前分布としてモデルに導入するベイズ的アプローチを中心としたデータ解析方法の研究を目的とする。
2.共同研究の必要性:本研究は昭和63年度より現在に至るまで継続的に実施されており,今後さらに本共同研究を進めていく上で,統計数理研究所における現在までの蓄積を有効に活用すること,ならびに大型コンピュータを活用することが不可欠である。また本研究所が中心となり研究が進められている情報量基準を利用することが,有効な解析方法を研究する上で必要である。
 以上の理由により,統計数理研究所との共同研究が必要であると考えられる。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

石黒 真木夫

統計数理研究所

松原 敏樹

癌研究会附属病院