昭和621987)年度 共同研究実施報告書

 

課題番号

62−共研−95

専門分類

9

研究課題名

自然環境についての標本調査法の研究

フリガナ

代表者氏名

タガ ヤスシ

多賀 保志

ローマ字

所属機関

(財)日本鯨類研究所

所属部局

職  名

研究主幹

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

6 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

環境調査などの大規模な調査において,費用的・技術的制約により,限られた比較的小数の調査地点を広大な領域からサンプリングせざるをえない場合,目的に応じて適切な補助情報(たとえばランドサットやシーサットによりえられるデータ)を利用して,推定精度を最良にする調査地点の配置を支える最適計画について,理論的および実証的な研究を行う
昭和62年度は理論的モデルとその解析法の研究を主とし,ランドサット・データ利用の方法についての検討をあわせて行い,昭和63年度において実証的研究を行う


自然環境に関する標本調査には,種々の対象とそれらに応じて様々な方法があるが,数回の会合で討議した結果,昭和62年度においては手始めとして,東京湾の水質環境についての研究を行うこととした。
主要な目的は,ランドサット・データを利用して東京湾の水質環境(水質汚染)を推測する方法を確立し,それにもとづいて定点観測点の配置を検討し,(最適計画Optimal Designを適用して),さらに水質環境などのサーベイランス・システム(隔測データの利用による)の合理的設計を行うこととした。
そのため昭和57年4月26日および昭和60年8月6日の2日(東京湾全域がおおむね快晴)をえらび,その2日間についてのランドサット・データと定点観測データを収集し,まずランドサット・データの幾何補正を行った上,各定点観測点を中心とする小区域(ほぼ500m×500m)内のランドサットデータについて数種類の平均値を算出し,それらと定点観測データとを突き合せて,相関分析を行った。−各水質成分(水温,透明度,クロロフィルa,COD,T−P,T−N,pH,塩分)とランドサット・データ成分(昭和57年のMSSデータについてはバンド4,5,6,7,昭和60年のTMデータについてはバンド1〜7)との間の相関係数および回帰系数を算出した。
それらを検討した結果,相関が十分高い項目(水質では,水温とクロロフィルa,ランドサット・データではTMのバンド2の両者の相関)について,東京湾全域の水質状況の推測画像を作成した。
なお,ランドサット・データを利用する水質の推測については,地域・天候などによって推測法(相関係数や回帰係数など)が影響されると考えられるので,昭和63年度においては,東京湾および相模湾の両地域について,別のランドサット・データ2〜3日分を定点観測データを収集,分析を行う予定である。
(註)
a)研究会開催日は下記の通り
1987年5月18日統数研,同年6月22日統数研,同年7月24日横浜市大,同年8月12日統数研,同年9月21日横浜市大,同年10月12日横浜市大,同年10月19日統数研,同年11月16日パスコKK,同年12月17日統数研,1988年1〜3月に4回
b)ランドサット・データの幾何補正,その補正データと定点観測データとの相関分析,および水質の推測画像の作成については,パスコKKに委託し,種々の協力がえられた。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

1988年11月環境科学会
1988年12月リモートセンシンング学会
1989年3月水質汚濁学会


研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

大隅 昇

統計数理研究所

岸野 洋久

東京大学

田口 時夫

東京経済大学

鶴田 治雄

横浜市環境科学研究所

水尾 寛己

横浜市環境科学研究所