平成232011)年度 重点型研究実施報告書

 

課題番号

23−共研−4104

分野分類

統計数理研究所内分野分類

b

主要研究分野分類

4

研究課題名

レア・イベントシミュレーションとデータマイニング

重点テーマ

マルコフ連鎖モンテカルロ法の展開

フリガナ

代表者氏名

ワシオ タカシ

鷲尾 隆

ローマ字

Washio Takashi

所属機関

大阪大学

所属部局

産業科学研究所

職  名

教授

配分経費

研究費

40千円

旅 費

0千円

研究参加者数

4 人

 

研究目的と成果(経過)の概要

 マルコフ連鎖モンテカルロ法・逐次モンテカルロ法を用いて、シミュレーションの統計的、確率的な正しさ、妥当性を確保しつつ、様々な特殊な挙動,レアイベントを導く挙動の新たな確率的シミュレーションの枠組みを、モンテカルロシミュレーションやデータマイニングの手法を学術的融合して探求することを目指した。
 本研究では、DNA鎖の2重螺旋構造生成過程を例題として取り上げた。バラバラに離れた2本のDNA鎖を開始状態として、最終的に2重螺旋構造に結合する反応は、確率的には非常に起きにくく、通常のモンテカルロ計算ではシミュレーションが困難である。そこで、状態遷移を支配する物理的な自由エネルギーポテンシャルと外乱によるブラウン運動に加えて、人工的なガイディング関数を導入するシミュレーション手法を考えた。特に、ガイディング関数がポテンシャル条件を満たすならば、状態遷移軌跡の条件付確率分布がガイディング関数の影響を受けずに保存される性質により、効率的にレアな反応に絞った状態遷移軌跡の条件付確率分布を導けることを確認した。これにより、レアイベントを導く挙動の新たな確率的シミュレーションの枠組みに関する基礎的見通しが得られた。

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

松田衆治, 伊庭幸人,鷲尾 隆, ポテンシャルガイディング関数を用いた 条件付き状態遷移軌跡分布のモンテカルロ計算, 情報論的学習理論と機械学習(IBIS2011)ワークショップ

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

なし

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

伊庭 幸人

統計数理研究所

松田 衆治

大阪大学