平成262014)年度 共同利用登録実施報告書

 

課題番号

26−共研−21

分野分類

統計数理研究所内分野分類

d

主要研究分野分類

6

研究課題名

鶴岡調査を利用した日本語の共通語化に関する計量的研究

フリガナ

代表者氏名

ヤリミズ カネタカ

鑓水 兼貴

ローマ字

Yarimizu Kanetaka

所属機関

国立国語研究所

所属部局

時空間変異研究系

職  名

プロジェクト非常勤研究員

 

 

研究目的と成果の概要

 本研究は,国立国語研究所と統計数理研究所が1950年より4回の共同調査を実施している鶴岡調査のデータを利用し,方言衰退過程からみた共通語化過程の分析を行うものである。
 共通語化過程の研究において,共通語普及と方言衰退は表裏一体に考えられてきた。しかし1990年代以降,方言は衰退しつつも共通語と方言が共存するという考え方が一般的になった。そのため2011年の第4回調査においては,共通語と方言の双方の能力を個別に把握するための質問が追加された。
 分析では第1〜4回調査のランダムサンプリング調査データを利用する。まず,語形間の共通語化の進行度合いの差異に着目し,方言形式の衰退過程を個別に検討する。つづいて第4回調査での追加質問を含めた共通語形・方言形の使用パターンを,数量化3類などの多変量解析を用いて分類する。これにより,鶴岡における共通語化過程を,方言衰退過程とあわせて,より詳細に解明することを目指している。
 課題の申請後,鶴岡調査データの管理を担当している統計数理研究所調査科学研究センターの前田忠彦准教授と連絡をとり,コードブック,基礎集計表の内容などを確認して,データ利用の準備をした。課題採択が3月19日であり,本年度の研究は準備段階で終了となったため,本年度の成果は未発表である。次年度あらためて同一課題を申請して研究を継続し,成果発表をする予定である。